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「検察改革ろうそく」に対抗集会、保守陣営の総力戦

登録:2019-10-04 05:42 修正:2019-10-04 08:23

自由韓国党などの主導で光化門に集まり 
「チョ・グク反対で300万人が結集」と主張 
 
現政権発足後最大規模の保守集会 
自由韓国党、地域委員長に参加の証明を要求 
「政権に失望」自発的な参加も多い 

盛り上がった雰囲気に飛び交う暴言 
ファン代表「大統領は最近正気なのか」 
ハンスト議員「ゴミを一掃すべき」 

大統領府への進出の試み、“衝突” 
保守団体の会員たちが角材を振り回し 
警察ともみ合い…46人が連行・逮捕

3日午後、ソウル市役所周辺から光化門広場一帯が自由韓国党の主催で開かれた「文在寅政権の憲政蹂躙中断と偽善者チョ・グク罷免を求める光化門糾弾大会」と汎保守団体、キリスト教団体のメンバーなどがそれぞれ開催した政権糾弾集会の参加者であふれている=シン・ソヨン記者//ハンギョレ新聞社

 開天節(韓国の国慶日の祝日のひとつ)の3日、保守性向の政党や宗教団体、市民団体がソウル光化門(クァンファムン)一帯で「チョ・グクの拘束、文在寅(ムン・ジェイン)の退陣」を求める同時多発的な集会を開いた。先週末、ソウル瑞草洞(ソチョドン)一帯で開かれた検察改革ろうそく集会に対応する性格で、現政権発足後開かれた保守集会としては最大規模だった。自由韓国党は同日、300万人が結集したと主張した。革新と保守、「チョ・グク反対と守護」、検察改革など政府政策に対する賛否など、様々な戦線で起きた対立が、場外でのパワーゲームに拡大している。

■予想を上回る規模

 同日午後、ソウル光化門広場からソウル支庁、南大門(ナムデムン)まで続く10車線道路は押し寄せた参加者たちが振る太極旗と星条旗の波で埋め尽くされていた。デモ隊が参加する集会はそれぞれ違っても、手に持ったプラカードは「守ろう!自由大韓民国」「文政権審判、チョ・グク拘束」で同じだった。

 自由韓国党が主催した「文在寅政権の憲政蹂躙の中断と偽善者チョ・グクの罷免を求める光化門糾弾大会」は広場北側で開かれた。大規模な参加人数に鼓舞されたナ・ギョンウォン院内代表は演壇に上がり、「先週、瑞草洞でデモするのを見たか。その狭い路地に果たして200万人が入れるか」としたうえで、「光化門が瑞草洞の道路よりはるかに広いから、彼らが200万人だとするなら、今日は2千万人は集まったといえる」と強調した。

 参加者さえ押し寄せた人波に驚いた様子だった。大邱(テグ)から来たキム・ジュンヒさん(65)は「これまでは参加したい気持ちはあったにもかかわらず、負担を感じて参加できなかった。だけど、瑞草洞のろうそく集会を見て、に負けてはならないと思い参加した」とし、「同じような気持の人がこんなにも多いとは思わなかった」と話した。自由韓国党の関係者も「思ったよりたくさん来て、われわれも驚いた」と打ち明けた。

■鼓舞された雰囲気に暴言も飛び交う

 参加者の多さに興奮したのか、普段より過激な表現が次々と飛び出した。同日の集会準備のために開天節記念式典に欠席したファン・ギョアン自由韓国党代表は、「チョ・グク長官を任命するなんて、正気か。大統領が最近、正気なのか疑わしい」としたうえで、「北朝鮮がミサイルを発射したにもかかわらず、大統領は何の備えもせず、引き続き金正恩(キム・ジョンウン)を代弁しているだけだ。本当に大韓民国の大統領なのか」と声を高めた。 19日間ハンストを行っているイ・ハクジェ議員は演壇に立って「文在寅を取り巻いているゴミのような連中を一掃しなければならない」と述べた。ナ・ギョンウォン院内代表は「文在寅大統領の娘がなぜ東南アジアに移住したのだろうか。文大統領の息子はなぜ公共事業に飛び込んだのか。民情首席は大統領の親戚がどう動いているかすべて把握できる。文大統領とチョ・グクは不幸の一体だ」と主張した。

 広場の一角では祈りの声が響いた。広場の南側で開かれた「文在寅の下野のための汎国民闘争本部」主催の総決起大会で、チョン・グァンフン韓国キリスト教総連合会代表会長は「この集会は天に助けられた。神さんが台風さえも追い払ってくださった。神様にお礼を述べる礼拝を捧げる」と祈った。集会に参加したキム・ムンス元京畿道知事は、「寄生虫のようなアカを大統領府から追い出すため、今日我々は太極旗革命を成し遂げなければならない」と主張した。ホン・ジュンピョ元韓国党代表は「文大統領は国を乱したため、内乱罪(に問われるべき)」だとし、「国民の名で、大統領文在寅を罷免すべきだ」と主張した。

■パワーゲームの様相に懸念の声も

 自由韓国党は同日の集会のため、各地域委員長に(集会参加の)証拠写真まで要求し、大々的な参加を促した。動員に長けている保守キリスト教界の全幅の支持も一役買った。ただし、同日の集会現場には自発的な参加者もかなり多かった。昨年の大統領選で、文大統領に投票したというある40代の女性は「革新と保守にかかわらず、今回の事態を見ながら不当だと思った。疑惑とはいえ、法を守らなければならない法務部長官に任命するのはあり得ない」とし、「もう少しクリーンで、既得権よりは国民の声が大きく反映されると思って文大統領を選んだのに、残念だ」と語った。

 同日の集会が先週末の瑞草洞のろうそく集会に対抗したパワーゲームの様相を帯びており、極端に突き進む政治への懸念の声もあがった。実際、同日午後3時20分に、大統領府近くで集会をしていた保守派団体メンバーなど35人が警察に角材を振り回して逮捕された。夕方7時に集会が終わってからも一部参加者が大統領府の進出を試みて、警察が設置したプラスチック製の遮断壁を押し倒し、警察ともみ合いになったことで、11人が追加で連行された。

 初めて保守集会に出たというチェ・ユンギョン氏(37)は「違法だらけのチョ・グク長官を庇護する大統領と与党がまったく理解できず、今回の集会に参加した」としながらも、「実際に出てみると、何人来た、あっちより多いというふうに比較しているだけだ。これでは公正と正義の問題が解決されないと思う。非常に残念だ」と話した。「共に民主党支持者だった」という50代の男性は「チョ・グク事態になったが、集会に来てみると、ここでもこれといった代案を見出せそうにない」と苦笑した。

チャン・ナレ、チョン・ファンボン、ソ・ヘミ、キム・ユンジュ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/911951.html韓国語原文入力:2019-10-03 22:34
訳H.J

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