ドナルド・トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の板門店会談に対し、米国の民主党大統領選候補者らは30日、それぞれ異なる反応を見せた。特に有力な大統領候補の反応が批判的であり、来年11月の大統領選挙を控えてトランプ大統領の外交的成果を引き下げようとする人びとの動きが、今後の朝米交渉の動力を弱めかねないという懸念も出ている。
民主党の大統領選候補の中でもっとも厳しく批判したのは、各種世論調査で一番先頭を行くジョー・バイデン元副大統領だ。バイデン選挙キャンプのスポークスマンのアンドリュー・ベイツはこの日、板門店会談後の声明を通じて「トランプ大統領が米国の国家安保と利益を犠牲にし、独裁者を大事にしている」とし、「これといった得るものもなく多くを譲歩してきたトランプ大統領が、もう一度金正恩委員長に頭を下げた」と主張した。北朝鮮がバイデン元副大統領を「知能指数が足りない愚か者」と非難するなど、双方が攻防を繰り広げたことがあり、個人的なわだかまりも働いたものとみられる。
最近、代案政策を相次いで発表し支持率を引き上げているエリザベス・ウォーレン上院議員も「無慈悲な独裁者とラブレターを交換したり写真を撮る機会を得るために米国の影響力を浪費してはならない」とし、「原則ある外交で北朝鮮を扱うべきだ」と主張した。北朝鮮をテコにトランプに対する批判の強度を高める格好だ。
しかし、バーニー・サンダース上院議員はこの日ABC放送に出演し「北朝鮮の核兵器さえ除去できるならば良いことではないか」とし、「敵との会合は悪いことばかりではない」と述べた。
フリアン・カストロ元住宅都市開発長官とエイミー・クロブシャー上院議員もそれぞれCNN放送のインタビューで「敵国との対話に問題はない」「何であれ討論をするのは役に立つ」とし、“会合”そのものには意味を与えた。ただし、彼らは無計画な「サプライズショー」式に会合が行われていることを指摘し、「結果があるまでは(会合に)効果があるかどうかは分からない」という意見も示した。