ドナルド・トランプ米大統領が、朝米首脳会談と米中首脳会談について同時に言及し、2月末の朝米と米中の“グランド・ディール”の実現に関心が集まっている。
米国の政治メディア「ポリティコ」は、トランプ大統領が5日(現地時間)、国政演説を控え放送会社のアンカーらと昼食を共にし、今月末海外で中国の習近平国家主席に会う予定だと話したと伝えた。トランプ大統領は、米中首脳会談の具体的な日程と場所は公開しなかった。しかし、朝米首脳会談のために出国する機会に、習主席とも会う計画と見られる。昨年12月1日、アルゼンチン・ブエノスアイレスでの首脳会談以後、トランプ大統領が習主席との会談を公式化したのは今回が初めてだ。
朝米首脳会談が可視圏内に入り、米中首脳会談の議論も合わせて実現する可能性がある。ウォールストリートジャーナルは先月31日、米国を訪問した劉鶴副首相など中国貿易交渉団が、今月末に中国の海南島で首脳会談をすることを提案したと報道した。香港の「サウスチャイナ・モーニングポスト」は、匿名の消息筋を引用し、米中が27~28日にベトナムのダナンで首脳会談をする方案を検討していると伝えた。この報道内容が事実であることを前提に、同じ日になされる朝米首脳会談もダナンで開かれる可能性が高い。
米中は、まず貿易交渉を決着させるために首脳会談を推進している。ブエノスアイレスで合意した“90日休戦”の期限(3月1日)が迫っているためだ。先月30~31日の高官級交渉の後、米国側交渉代表のロバート・ライトハイザー通商代表部(USTR)代表は「まだ仕事がたくさん残っている」と話した。ライトハイザー代表は、来週初め北京に行き、高官級交渉を継続する。
朝鮮半島問題が米中首脳会談の主要な議題になるかは、現時点では不明だ。しかし、トランプ大統領の発言とマスコミ報道から見る時、米中首脳会談は時空間的に重なっていると見られる。金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国務委員長は、昨年の1回目の朝米首脳会談前から今年1月までに都合4回習主席に会い、朝米交渉を議論し共同対応を調整してきた。中国は一方で、北朝鮮核問題を米国との貿易交渉でテコとして活用しようとする態度を見せた。中国は、朝鮮戦争終戦宣言にも自国が参加しなければならないという立場だと伝えられた。昨年の1回目の朝米首脳会談の時にも、習主席の“合流説”が提起された。習主席が今回トランプ大統領と朝鮮半島問題を具体的に議論するならば、これまで北朝鮮の“バック”の役割をしてきた中国が本格的に出てくることはありうる。
朝中米が貿易と核交渉問題でからまった状況で、今月末ベトナムで“一括妥結”が試みられる可能性も排除することはできない。