2014年1月に締結された韓米防衛費分担金特別協定(SMA)が今年末に終了する中で、ドナルド・トランプ米大統領が韓国の防衛費分担金を現在の2倍に引き上げることを望んでいるという報道が出てきた。
ウォールストリートジャーナルは7日(現地時間)、この事案に精通した消息筋を引用して、「トランプ大統領は、韓国が在韓米軍に顕著に多い金を払わなければならないという立場」だとし、「彼は、韓国が現在の2倍を負担することを望んだ」と伝えた。同紙はまた別の関係者の話を引用して、トランプ行政府が現在の150%水準に引き上げるよう圧迫していると報道した。
防衛費分担金は、約2万8500人の在韓米軍駐留のために韓国が分担する費用で、在韓米軍内の韓国人労働者の人件費▽軍事建設および連合防衛増強事業▽軍需支援費の名目で構成される。今年韓国が負担した金額は約9602億ウォン(約960億円)だ。同紙の報道どおりならば、米国は韓国政府が毎年約1兆4400億~1兆9200億ウォン(1450億円~1930億円)に分担金を引き上げることを要求するという話だ。
韓米は3月から先月まで9回にかけて新しい防衛費分担金特別協定締結のための会議を行い、11~13日にはソウルで10回目の会議を開く予定だ。だが、最終妥結までには難航が予想される。トランプ大統領は、これまで在韓米軍の駐留費用を問題視して、露骨に韓国を圧迫してきた。米国側は特に、朝鮮半島に展開する戦略資産の投入費用を「作戦支援」項目で新設し、分担金の大幅増額を要求している。これに対し韓国政府は、韓国が建設費用全体(約12兆ウォン=約1.2兆円)の92%を負担したキャンプ・ハンフリーズなどの事例を挙げて、在韓米軍の安定的駐留に直間接的にさまざまな貢献をしているという点を強調して対抗している。
ウォールストリートジャーナルは、米国行政府の中でも在韓米軍の駐留を費用の問題としてのみ見てはならないという見解があると伝えた。同紙は「ジェームズ・マティス国防長官とジョセフ・ダンフォード合同参謀議長など米国の外交・軍事高位関係者たちは、財政的考慮を離れて同盟の重要性をトランプ大統領に理解させようと努力してきた」と消息筋の話を引用して伝えた。国防総省東アジア太平洋担当次官補を歴任したウッドロー・ウィルソンセンターのアブラハム・デンマーク・アジアプログラム局長も「朝鮮半島に相当数の米軍を駐留させることが、米国の戦略的利益に符合する。それは、地域を安定させ実在する脅威から同盟を防御するのに役立つ」と話した。
これに先立ってカン・ギョンファ外交部長官とマイク・ポンペオ米国務長官は6日、ワシントンで会い、韓米防衛費分担金協議と関連して相互が満足できる結果が導き出されるよう今後も両国代表団を督励していくことにしたと外交部が明らかにした。