本文に移動

マティス国防長官「来年のトクスリ訓練を縮小」

登録:2018-11-22 22:10 修正:2018-11-23 07:38
「外交を阻害しない水準で実施するよう調整」 
朝米首脳会談など非核化交渉に軍事的支援 
指揮所訓練の「キーリゾルブ」と統合的調整と予想 
航空母艦など米軍戦略資産は展開しない公算
ジェームズ・マティス米国防長官が先月23日(現地時間)、ホワイトハウスで記者たちの質問に答えている。マティス長官は21日、記者団に来春のトクスリ訓練(FE)が「外交を阻害しない水準に少し再調整されている」と話した/聯合ニュース

 来春に予定された韓米合同大規模機動演習の「トクスリ(鷲)訓練」(Foal Eagle)の範囲が縮小されるだろうとジェームズ・マティス米国防長官が21日(現地時間)、明らかにした。北朝鮮との高官級会談と2回目の朝米首脳会談を控えた米国が、韓米合同軍事演習縮小カードを出して、非核化交渉を牽引しようとしていると見られる。

 マティス長官はこの日、国防総省庁舎で記者団に「来年の韓米合同演習を再調整(realigning)している」と話した。「トクスリ訓練を指しているのか」という質問が相次ぐと「そうだ。トクスリ訓練は外交を阻害しない水準で実施するよう少し再整備されている」として「範囲が縮小されるだろう」と話した。縮小範囲については具体的に説明しなかった。

 米国防総省もすぐに声明を出し、「第50回韓米安保協議会議(SCM)で、マティス長官とチョン・ギョンドゥ韓国国防長官は『軍の準備態勢を維持しつつ北朝鮮の非核化を達成するための外交努力を補完する方法で、訓練を含む軍事活動を施行することが重要だ』ということで意見を共にした」とその背景を説明した。クリス・ローガン国防総省東アジア太平洋担当報道官は「両国の国防長官は、すべての大規模合同演習に対する綿密な再検討を継続すると同時に、軍指揮官の意見に基づいて調整された決定をすることにした」と明らかにした。

 通常毎年3~4月に実施されるトクスリ訓練は、キーリゾルブ(Key Resolve)、乙支(ウルチ)フリーダム・ガーディアン(Ulchi-Freedom Guardian)演習と共に3大韓米合同演習に挙げられる。コンピューター・シミュレーション指揮所訓練のキーリゾルブに続き、実際に兵力と装備が動く野外機動訓練として進行される。トクスリ訓練とキーリゾルブ演習は統合的に進行されるという点で、マティス長官の発言は来春のキーリゾルブ、トクスリ訓練が全体的に調整されるだろうと予告したことになる。キーリゾルブ、トクスリ訓練は、朝鮮半島有事時に米軍の増援戦力を展開するための戦時増援訓練だ。

 国防部は22日「韓米の国防部は、北朝鮮の非核化進展のための両国政府による外交的努力を後押しするために緊密に協議している」として、「マティス長官の発言もやはりその延長線上と理解している」と明らかにした。ある関係者は「韓米合同演習時に米軍戦力がどれくらい参加できるかについてはまだ決定されていない」として、「韓国軍の独自訓練を正常に施行するという立場には変わりがない」と話した。韓米は、来月初めまでに韓米合同軍事演習を猶予するかどうかを決めることにし、実務協議を進めている。

 来年のキーリゾルブ、トクスリ訓練は、今年平昌(ピョンチャン)冬季五輪(2月9~25日)が終わった後に実施された水準に調整されるものと予想される。韓米は、キーリゾルブ、トクスリ訓練を五輪が終わった4月に、期間を2カ月から1カ月に短縮し、規模も縮小して進めた。当時の訓練には、米国の主要戦略兵器と航空母艦強襲団は参加しなかった。

 トクスリ訓練がまで5カ月程度残っていて米国は今後の交渉カードに活用できるにもかかわらず、先制的に縮小を発表したのは、朝米高官級会談など対北朝鮮交渉を促進しようとする意図と見られる。キム・ドンヨプ慶南大学極東問題研究所教授は「朝米高官級会談のための水面下交渉で、北朝鮮がすでに明らかにした寧辺(ヨンビョン)核施設廃棄カードに対して米国は北朝鮮が充分と感じる水準の相応措置を提示していない状態と見られる」として、「だが、米国が相応措置に加えてトクスリ訓練縮小カードという信頼措置を差し出すことで、北朝鮮が高官級会談のテーブルに出て来られるよう促進する肯定的な信号」だと話した。

ユ・ガンムン先任記者、パク・ミンヒ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/871276.html韓国語原文入力:2018-11-22 19:02
訳J.S

関連記事