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シンガポール首相「米中どちらかを選ばなければならない日が来る可能性」

登録:2018-11-17 08:59 修正:2018-11-17 15:50
リー首相「ASEANは大きくない...結束力の維持を」 
一方に肩入れしないASEANの「ヘッジング戦略」の変化に悩みを示す 
米、中に向け「南シナ海はどこか一つの国の所有ではない」 
フィリピン「強い軍事行動は中国の反応を呼ぶ」
シンガポールのリー・シェンロン首相/聯合ニュース

 シンガポールのリー・シェンロン首相が、東南アジア諸国連合(ASEAN)が米国と中国のうちどちらかを選択しなければならない日が来る可能性があると述べた。両大国の衝突の可能性に備えなければならないアジア太平洋国家の立場を代弁したわけだ。

 リー首相は15日、シンガポールで行われたASEAN首脳会議の閉幕記者会見で、「お互いに異なる側にいる二つの国と友達なら、あるときはどちらとも良い関係でいられるが、またあるときはどちらとも良い関係でいるのがおかしくもなりえる」と述べた。さらに「片方の味方にならないことが非常に望ましいが、ASEANが片方を選ばなければならない環境が訪れる可能性もある。そのような事態が早く来ないことを望む」と述べた。

 リー首相の発言は、片方に大きく傾かないASEANの「ヘッジング外交」戦略を持続できない状況になりかねないという悩みを表現したものだ。ASEANの10カ国の加盟国には、米国に近いシンガポール・フィリピン、中国に近いミャンマー・ラオス・カンボジアがある。しかし、ASEAN全体としては一方だけに頼らず、集団的利益を図ってきた。

 リー首相の発言は、加盟国の領土問題がかかっている南シナ海をめぐって米中葛藤が激化している中で出た。マイク・ペンス米副大統領は16日、「南シナ海はどこか一つの国の所有ではない。米国は国際法が認め国の利益が必要とする場所であれば、どこでも航海と飛行を続ける」と述べた。彼は前日、米-ASEAN首脳会議でも「インド太平洋地域で帝国と侵略の立つ場所はない。我々のインド太平洋ビジョンは誰も排除しない」と、中国を狙って述べた。

 今回の会議でASEAN首脳は南シナ海の緊張抑制を注文した。マレーシアのマハティール・モハマド首相は「我々は南シナ海で緊張を高めないことに全員同意した」とし、「これは軍艦を呼び込み航行の自由を許さないことを含む」と述べた。しかし、来週中国の習近平国家主席の訪問を控えたフィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領は「南シナ海はいま中国の手中にあるのに、なぜ摩擦を起こすのか。軍事行動は中国の反応を呼ぶだろう」と中国をかばった。

 ペンス副大統領は、中国側と共にASEAN首脳会議、東アジア首脳会議に続き、17~18日にパプアニューギニアで開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議にも出席する。彼の発言は、同地域の協力を図る会議体が次第に米中対決の場に変わっていることを示している。

北京/キム・ウェヒョン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/china/870598.html韓国語原文入力:2018-11-16 19:23
訳M.C

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