国連安全保障理事会(安保理)の対北朝鮮制裁委員会が、ユニセフ(国連児童基金)に医療装備など少なくとも46万8816ドル(約5200万円)相当の人道主義物品の北朝鮮搬入を許可したと「ボイス・オブ・アメリカ」(VOA)が8日(現地時間)報道した。
この報道によれば、対北朝鮮制裁委を率いている国連駐在オランダ代表部のオストロム大使は、先月24日にユニセフに送った書簡で、ユニセフが要請した一部の品目について制裁の猶予を許可したと明らかにした。これに先立ってユニセフは今年8月、結核・マラリアの退治と予防接種のための品目を北朝鮮に搬入できるようにしてほしいと対北朝鮮制裁委に要請した。
書簡と共に添付された目録には、計35品目の物品に対して「承認」(Approval)という字句と金額、取引関連会社名、出到着港情報が書かれている。ここには7万4189ドルの欧州産X線装備、3万9550ドルの中国産X線装備が含まれている。予防接種薬品を空港から医薬品保管施設に運送するための冷凍トラック1台も目録にある。ユニセフは、中国産で5万500ドルのこのトラックについて、1歳未満35万5000人の幼児と36万2000人の妊婦の疾病予防のための装備と説明した。
この他に、実験室装備5個、病院用デジタルカメラ1台、ワクチン低温維持装備2個、手術室器具(照明など)13個、マラリア予防物品2セット、結核予防物品1セットなどの北朝鮮搬入が許可された。「ボイス・オブ・アメリカ」は、物品の総額が46万8816ドルに達し、金額表記できないものまで含めればさらに増えると推定した。これらの物品が北朝鮮に搬入できる期間は、先月19日から来年4月19日までの6カ月間だ。
他の対北朝鮮人道主義団体の制裁免除要請の処理は遅れているという報道がこの日出てきた。ロイター通信は、安保理対北朝鮮制裁委の文書を引用して、米国のある慈善団体が今年9月に、アイルランドの救護団体と国際赤十字連盟(IFRC)が今年8月に、それぞれ対北朝鮮制裁委に制裁の免除を要請したと報道した。だが、米国が「検討する時間が欲しい」と要請したために、未だ承認が出ていないと同通信は伝えた。