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トランプの“責任論”再議論に…対応悩む中国

登録:2018-08-30 22:58 修正:2018-08-31 16:13
対北朝鮮交渉が膠着するや不満表出 
「中国が北朝鮮との関係を難しくさせた」 
中国浮上を阻むための戦力分析 
中国、表面的には一蹴しながら苦悶 
中国で習主席の訪朝延期説出回る
ドナルド・トランプ米大統領と習近平中国国家主席//ハンギョレ新聞社

 ドナルド・トランプ米大統領が、朝米対話の膠着原因として中国を繰り返し挙論し、彼の“本心”が何なのかに対する疑問が高まっている。朝中関係を強化して朝鮮半島の情勢変化に対応しようとしていた中国も、深い苦悶に陥ることになった。

 トランプ大統領が、朝米間対話が支障をきたすと「中国に責任がある」と主張し始めたのは、前例に照らして“破格的”だった金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国務委員長の2回目の訪中(5月7~8日)後からだ。トランプ大統領は、それから10日後の5月17日「彼ら(金委員長など)が中国と会った時に事情が若干変わったと考える。彼らが習近平主席と2回目に会った後、(米国に対する態度に)大きな差があった」と話した。同月22日、ホワイトハウスを訪れた文在寅(ムン・ジェイン)大統領の前でも、習近平中国国家主席が朝米対話に否定的影響を及ぼしているという意味をこめて「ポーカープレーヤー」と呼んだ。トランプ大統領はその後、中国の国境統制が以前ほど強力でなくなったとし、繰り返し不満を表出し、今月24日には米中間の貿易戦争のせいで「彼ら(中国)が以前のように(北朝鮮の)非核化過程を助けていない」として、マイク・ポンペオ国務長官の4回目の訪朝を電撃的に取り消した。

中国妨害論に関するトランプ大統領の歴代発言//ハンギョレ新聞社

 トランプ大統領がこれまでに吐き出した発言を見れば、彼は中国が実際に朝米交渉に否定的影響を及ぼしていると信じていると見られる。彼は29日、ホワイトハウス声明を通じて「北朝鮮が米中間の貿易紛争で中国から途方もない圧迫を受けている」と指摘し、この日記者たちと会っても「北朝鮮問題は中国との貿易紛争のために発生している。93%の商品が中国を通じて北朝鮮に入っている」と再度強調した。北朝鮮と一対一の談判をしようとするトランプ大統領は、中国の頻繁な登場を明らかな「妨害要素」と見ているわけだ。だが、中国は「国連安保理決議を厳格に全面的に履行している」として対抗している。「ボイス・オブ・アメリカ」(VOA)放送は24日、今年1~7月の朝中交易は昨年より56.2%減ったと伝えた。

 専門家たちは、トランプ大統領が北朝鮮核交渉に関し「中国責任論」を持ち出し続けるのは、「中国の浮上阻止」を「北朝鮮核解決」以上に大きな戦略的目標と見ているためだと指摘した。国家安保戦略研究院のチョ・ソンニョル首席研究委員は「トランプ行政府の目標は、中国の浮上を明確に阻むこと」だとし、「彼にとって北朝鮮・北朝鮮核問題は(米中対決より)副次的で従属的な変数」だと話した。トランプ行政府は、昨年末に発表した国家安保戦略(NSS)で初めて中国をロシアとともに「ライバル強大国」として明示した。朝米関係に明るい政府関係者も「(米国が)朝米接触をしながら朝中関係が近づく状況を牽制する必要があった」とし、「米中関係と北朝鮮問題が間接的に連結される現実で、北朝鮮がこれを利用する可能性も考えられる」と話した。

 中国は表面的にはトランプ大統領の発言をとんでもないとして一蹴しているが、対北朝鮮、対米政策の方向について深い苦悶に陥った。中国外交部の華春蛍報道官は30日のブリーフィングで、トランプ大統領が再度中国責任論を言及したことに対して「米国は事実を歪曲している。やはり最高に無責任な論理」と反論した。陸康報道官も25日「あれこれ言わずに、他人のせいにするな」と批判した。

 焦眉の関心事は、習主席がトランプ大統領の“猛牽制”にも関わらず、北朝鮮の政府樹立記念日である9・9節に合わせて北朝鮮を訪問するかどうかだ。中国では、この行事に中国共産党政治局常務委員級を送り、習主席の訪中は遅らせることもありうるという観測が出ている。

北京/キム・ウェヒョン特派員、キム・ジウン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/china/860023.html韓国語原文入力:2018-08-30 20:59
訳J.S

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