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ホワイトハウス、ティラーソン長官の「条件なき対北朝鮮対話」翌日にはなかったことに

登録:2017-12-14 22:25 修正:2017-12-15 07:26
米NSC関係者「対北朝鮮政策は不変 
北朝鮮の非核化への真剣な措置が必要」 
ティラーソン長官の個人所信を明らかにしたようだ 
米国内の行き違いが関連国を混乱させた
ティラーソン米国務長官が13日、ワシントンで開かれたアトランティック・カウンシルと韓国国際交流財団が主催したフォーラムに参加し、北朝鮮との条件なき対話の意志を明らかにしている=ワシントン/新華聯合ニュース

 米ホワイトハウスが13日(現地時間)、レックス・ティラーソン国務長官の「前提条件なき会合」という前日の対北朝鮮提案に対して、公式に否定する立場を表明した。ティラーソン長官の発言は、一日にして「なかったこと」になってしまった。ドナルド・トランプ行政府の未熟な政策調整過程が露呈したと指摘されている。

 ホワイトハウス国家安保会議(NSC)関係者はこの日、ティラーソン長官の提案に対する立場を尋ねるハンギョレの質問に「対北朝鮮政策は変わっていない。今は明確に(対話の)時でない」と明らかにした。この関係者は「北朝鮮はまず追加的な挑発を自制し、非核化に向けた真摯で意味ある措置を取らなければならない」として「これ(対話の前提条件)は、追加的な核やミサイルの実験をしないことだけに限定されるのではない」と話した。

 同関係者は「トランプ行政府は、北朝鮮とのいかなる交渉も北朝鮮政権が根本的に態度を改める時まで待たなければならないという一致した主張をしている」として「過去の誤った政策を繰り返しはしない」と述べた。この関係者は「繰り返し話したように、北朝鮮との対話の可能性は開けてある」としつつも、正確な対話の時期と関連しては「見ていれば分かる」と曖昧に答えた。

 ティラーソン長官は前日ワシントンで開かれたある討論会で「前提条件なしで北朝鮮と最初の会合をする準備ができている。北朝鮮が核プログラムを放棄する準備をして(対話の)テーブルに戻って来いとばかり話すことは非現実的」とし、積極的な対話の意志を表明した。ティラーソン長官の発言は、永らく対北朝鮮対話の再開条件として固まってきた「北朝鮮の非核化に向けた真正性ある意志および行動」を下ろすこともできると示唆した発言なので注目を浴びた。ホワイトハウスの公式立場は、前日の国務長官の発言を完全に覆した。

 ヘザー・ナウアート国務省報道官も13日、定例ブリーフィングで「北朝鮮に平和な朝鮮半島非核化に関する信頼に値する対話の意志があるならば、私たちは対話の扉を開いている」として、ホワイトハウスと立場を合わせた。

 韓国国立外交院のキム・ヒョヌク教授は「米国ではティラーソン長官が任命されて1年になる来年2月に更迭されるという話が既定事実として行き交っている」として「ティラーソン長官が、残された任期に所信に従って対話を推進させる動きだったと見られる。種々の反応を見れば、結局は調整されていなかったこと」と話した。ある外交消息筋も「ティラーソン長官の言及は準備された原稿を読んだ討論会の前半部ではなく、質疑応答の過程で出た」として「個人的所信」という解釈に重きを置いた。

 韓国外交部のノ・キュドク報道官はこの日定例ブリーフィングで、ティラーソン長官とホワイトハウスの「立場の差」に対する質問に、「韓米両国は北朝鮮が挑発と威嚇を中断し、一日も早く対話に復帰することを一貫して求めてきている」として「ホワイトハウス側の反応もこのような立場を改めて強調したものとして理解できる」と話した。

 ホワイトハウスとティラーソン長官の行き違いは、今回が初めてではない。ティラーソン長官が今年9月「北朝鮮と2~3個程度の対話チャンネルを開いている」と話すと、トランプ大統領はすぐ翌日に「時間浪費」として直接非難した。

 トランプ行政府の一貫した対北朝鮮メッセージの不在は、同盟国を混乱に陥れ、北朝鮮にも米国の交渉意志を疑わせかねないという批判が出ている。ティラーソン長官の発言に対して積極的な歓迎の意思を表明した中国とロシアも、鼻白むことになった。

ワシントン/イ・ヨンイン特派員、キム・ジウン、ソン・ヨンチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/america/823518.html韓国語原文入力:2017-12-14 20:39
訳J.S

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