レックス・ティラーソン米国務長官が12日(現地時間)、「北朝鮮が核を放棄してこそ対話が可能だというのは非現実的」だとし「北朝鮮と条件のない会合」を言及したことで、北朝鮮の反応に関心が注がれている。ホワイトハウスはこの日、「北朝鮮に対する大統領の立場は変わらない」とし、ティラーソン長官の発言を希釈したが、北朝鮮が応えるかどうかによって米朝間の探索的対話局面が開かれる可能性もある。
北朝鮮は先月29日の大陸間弾道ミサイル(ICBM)級「火星-15」型試験発射当時、「国家核兵力の完成」を宣言し、国際社会に慎重な「対話シグナル」を送ってきた。5日、ジェフリー・フェルトマン国連事務次長の訪朝が行われ、先月29日にはロシアのドゥーマ(下院)議員らが訪朝した。北朝鮮は議員らを通じて「北朝鮮は交渉テーブルにつく用意ができている」というキム・ヨンナム北朝鮮最高人民会議常任委員長のメッセージを伝えた。今月7日(現地時間)には、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相がオーストリアのウィーンでティラーソン長官と会談した後、「北朝鮮は米国と直接対話を望んでいる」と語った。
これに対し、北朝鮮がこれまで「非核化を条件とする対話には応じない」という立場を固守していたが、「核兵力の完成」を宣言した後、北朝鮮の行動とティラーソン長官の今回の発言で北朝鮮側の気流が変わる可能性があるという観測も出ている。
ク・ガブ北韓大学院大学教授は「フェルトマン事務次長の訪朝当時、何らかの議論があったのではないか」とし、「今なら北朝鮮も米国が手を差し出せば握るだろう」と見通した。ヤン・ムジン北朝鮮大学院大学教授は「北朝鮮は一応(ティラーソン発言の)真実性を把握するだろう」だとしながらも、「(今後)米国が望む非核化会談と北朝鮮が望む平和協定会談を一つのテーブルに置いていつでも対話する用意があるといえる」と話した。
ちょうど14~15日、タイでは朝米が出席するアジア太平洋安保協力理事会(CSCAP)総会が開かれており注目を引く。米国務省は米国側の北朝鮮核6カ国協議首席代表であるジョセフ・ユン国務省対北朝鮮政策特別代表がこの時タイを訪問すると明らかにしており、北朝鮮当局者との接触の可能性が提起されている。
13日、外交消息筋によれば、北朝鮮外務省傘下のチェ・ジン平和軍縮研究所副所長をはじめとする北朝鮮代表団4人が、14日から2日間タイのチェンマイで開かれるCSCAP総会への出席のために同日タイのバンコクに入国したと伝えられている。