来月3日にアジア歴訪を始めるドナルド・トランプ米大統領が、最後の訪問地であるフィリピンで開かれる「東アジア首脳会議」(EAS)に参加しないとワシントンポスト紙が24日報道した。
この新聞の有名コラムニストであるジョン・ローギン氏は「トランプ大統領が東アジア首脳会議には参加せず、一日前(13日)にフィリピンを発つ」として「この地域で米国のリーダーシップに疑問を呼び起こし、アジア歴訪の全般的目標を傷つける恐れがある」と指摘した。
ホワイトハウスが発表したトランプ大統領の日程によれば、日本-韓国-中国-ベトナムを経て来月12日にフィリピンに到着し、翌日の13日に米国-アセアン(東南アジア連合)首脳会議に参加してフィリピンのドゥテルテ大統領と首脳会談をするとされている。
公式日程にもトランプ大統領が14日にアンヘレスで開かれる東アジア首脳会議への参加について言及がない。東アジア首脳会議は13日に始まるが、主要行事は14日に集中している。
ローギン氏は、トランプ大統領の不参加の背景について「大統領がその地域に長く留まることを望まないので、(滞留が長期化すれば)癇癪を起こして予測不能な、あるいは非外交的行動をしかねないという恐れがあった」と大統領側近の話を引用して伝えた。ローギン氏は「行政府内でも(東アジア)首脳会議について長時間の討論があったと複数の政府関係者が私に話した」と明らかにした。
これに対してホワイトハウス関係者は「トランプ大統領が13日夜に米国に帰国するのは、全面的に日程に従ったこと」とし「14日の行事に参加しないことから何かを読みだそうとしてはいけない」と話した。
理由がどうであれ、東アジア首脳会議への不参加はバラク・オバマ前大統領と比較される。オバマ行政府は、アジア地域で中国牽制のための長期戦略の一つとしてインドの役割に注目し、インドが加盟国である東アジア首脳会議に2011年に正式に加盟国として加入した。以後、連邦政府がシャットダウン(一時閉鎖)された2013年を除いて2011年から2016年まで毎年参加した。
トランプ行政府も「インド-太平洋」戦略を前面に出して「インド抱き込み」に向かう状況なので、トランプ大統領の東アジア首脳会議の不参加はアジア諸国にメッセージの混線を招く可能性が高い。