22日に行われた日本の衆議院総選挙で、安倍晋三首相率いる自民党と公明党の連立与党が改憲発議線の310議席(全体465議席の3分の2)以上を占める圧勝を収めたという出口調査結果が発表された。早期総選挙という賭けに出た安倍首相の圧勝で、平和憲法改正の動きが本格化する見通しだ。北東アジア情勢にも大きな波紋が予想される。
NHK放送は同日の投票終了後、出口調査と独自の取材の結果を基に、自民党が単独で過半数(233議席)を大きく上回る勝利を収めることが確実視されると報じた。自民党単独でも253~300議席の獲得が可能で、連立与党のパートナーである公明党も27~36議席を占める見込みだと報道した。自民党と公明党を合わせれば281~336議席に達するものと予想されたが、310議席を超えれば、野党の協力がなくても与党議席数だけで改憲を発議できる。
早期総選挙前、自民党と公明党の議席数は318議席で、議席数縮小前の衆議院の定員である475議席のうち3分の2以上を確保していたが、身内や側近と親しい人物らが運営する私学法人が特別な恩恵を受けたと疑われた「森友・加計学園スキャンダル」で、内閣支持率が内閣総辞職危険の水準の20%台まで下がり、改憲に向けた動力を失った。しかし、安倍首相は北朝鮮の核実験やミサイル発射の政局で進めた「安保攻勢」で支持率が上がったことを受け、失われた指導力を回復するため、先月25日に早期総選挙という賭けに出た。
今回の総選挙圧勝を足がかりに、安倍首相は来年、生涯の課題だと公言してきた改憲の推進に乗り出すものとみられる。軍隊の保有と交戦権を否定した現行平和憲法を変えることに対する反対世論が高い中、安倍首相は憲法第9条に自衛隊の根拠を明示し、2020年に施行する案を明らかにした。これを通じて、憲法第9条自体を廃棄せずとも、日本を戦争できる国家に変えていくという計画だ。
安倍首相はさらに強化された権力を基に、対北朝鮮圧迫の強化と韓米日軍事協力の強化などについても声を高めていくものと見られる。