登録 : 2017.08.06 22:26 修正 : 2017.08.07 16:31

力比べの末の“折衝点”

米国のニッキー・ヘイリー国連大使(右)が今月5日、国連本部で安全保障理事会の対北朝鮮制裁決議案第2371号の表決に入る前に、中国の劉結一大使に近づき、対話している=ニューヨーク/EPA聯合ニュース
 国連安全保障理事会(安保理)が5日(現地時間)、全会一致で採択した対北朝鮮制裁決議2371号は、北朝鮮の石炭輸出を全面禁止し、北朝鮮に対する原油供給の中断は制裁対象から外すことを核心内容としている。北朝鮮に対する原油供給の中断を巡る米中の力比べの末に両国が折衝点を選んだと見られる。

 今回の安保理決議採択を控えて米国は対北朝鮮制裁の強度を高めるために中国を一層強力に圧迫してきた。北朝鮮による先月28日の2回目の大陸間弾道ミサイル(ICBM)試験発射直後にドナルド・トランプ大統領はツイッターを通じて「中国は北朝鮮と関連して私たちのために何もしていない。口先だけだ」と不満を爆発させた。その翌日、ニッキー・ヘイリー国連駐在米国大使も国連で「中国は最終的に重大な措置を取るか否かを決めなければならない」として最後通告を飛ばした。

 米国はまた、対中国貿易制裁カードまで持ち出して、中国に対する圧迫を精一杯強化した。トランプ行政府が中国の知的財産権の盗用を阻み、中国市場の追加開放のために1974年に制定された貿易法301条の適用を検討するという報道まで流れ出た。

対北朝鮮新規制裁の年間輸出減少効果(資料:外交部)//ハンギョレ新聞社
 トランプ行政府が強く推進してきた中国の対北朝鮮原油供給縮小・中断が含まれなかったのは、中国の反発と早急な対北朝鮮決議案採択をあまねく考慮した結果と見られる。中国も米国の圧迫に対抗して米国債を売却する用意があるという話をマスコミに流すなど、正面対抗するという観測も出てきた。

 さらに米国は対北朝鮮決議案の採択が過度に遅れる場合、動力が劣化し北朝鮮に対する「警告メッセージ」が弱まりかねないという判断もしたものと見られる。実際、今回の決議2371号は、北朝鮮の先月4日の初のICBM試験発射を起点とすれば33日ぶりで、比較的早い時期内に採択されたと言える。

 この間トランプ行政府は、対北朝鮮原油供給の遮断に強い意欲を見せた。北朝鮮が原油輸入の90%以上を中国に依存しているので、中国がこれを遮断すれば北朝鮮の“急所”を刺すことができると判断したためだ。特にトランプ大統領と習近平主席のフロリダのマールアラーゴ首脳会談以後にも、米国は中国の対北朝鮮原油供給に上限線を置くために圧迫を継続してきたという。

 だが、中国は原油供給を中断する場合、北朝鮮が相当な内部混乱に陥ることを憂慮した。原油は軍事目的以外にも家庭用電力、産業活動および肥料生産に必須不可欠であるためだ。これは中国への北朝鮮難民流入を招き、東北3省地域の混乱を引き起こしかねないと中国は憂慮する。

 また、原油供給の中断は中国が持っている「最後の対北朝鮮カード」ということができる。北朝鮮が原油遮断にも“屈服”しない場合、中国はすべての北朝鮮に対するカードを失い、北朝鮮と回復不能な関係に上り詰め、地政学的不安を引き起こしかねない。そのため専門家らは、中国が戦略的緩衝地帯としての北朝鮮の価値を完全に捨てることを決断しない限り、原油遮断は難しいだろうと予想してきた。

 中国がロシアとの連合戦線を展開し原油遮断は拒否したが、石炭輸入は全面遮断することに同意したこと自体も相当な譲歩と見ることができる。北朝鮮の対中輸出は貿易の90%を占め、石炭は昨年対中輸出全体の40%(約11億8千万ドル)近い比重を占めているためだ。昨年末、安保理が年間輸出額4億ドル、物量750万トンのうち金額が低い側で北朝鮮産石炭の輸出に上限を置く対北朝鮮制裁決議2321号を通過させたが、今回はそれさえ完全になくしたのだ。

 中国のこうした譲歩は、温家宝前首相の2009年10月訪北当時、石炭・鉄鉱石の輸出の道を開いて北朝鮮が核・ミサイル資金を用意することになったという批判を考慮したと見られる。また、今秋に習近平主席の権力を強固にする党大会を控えて、米中軋轢をコントロールしようとする意図もあったと見ることができる。

 ただし、米中が「石炭と石油を対等交換する」折衝をしたりもしたが、北朝鮮が追加緊張高揚行為をとる場合、米国が再び中国に原油供給の遮断や縮小を圧迫する可能性は残っている。

ワシントン/イ・ヨンイン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2017-08-06 18:08
http://www.hani.co.kr/arti/international/america/805718.html 訳J.S(1850字)

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