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[社説]安保理制裁に伴う朝鮮半島危機対応策を立てよ

登録:2017-08-06 21:02 修正:2017-08-07 07:56
北朝鮮制裁案を全会一致で採択した5日(現地時間)の国連安保理=ニューヨーク/AFP聯合ニュース

 国連安全保障理事会は5日(現地時間)、北朝鮮の二度にわたる大陸間弾道ミサイル(ICBM)試験発射に対応し、北朝鮮の石炭、鉄、水産物輸出を全面禁止する新しい北朝鮮制裁決議を全会一致で採択した。北朝鮮の新たな労働者海外派遣も制止した。北朝鮮の資金源を断つというものだ。中国とロシアの反対で原油供給遮断までは至らなかったものの、形式的に非常にレベルが高いものだ。国連は今回の制裁案が施行されると北朝鮮の年間対外輸出30億ドルのうち10億ドルほどが減ると推算している。

 北朝鮮は安保理制裁に対して常に強く反発してきた。制裁のレベルが高まったゆえに反発ももっと深刻になるものと見られる。ICBM級または潜水艦発射弾道ミサイルなどのミサイルの追加発射や6回目の核実験などが憂慮される。そのうえ21日から韓米連合軍事訓練の乙支フリーダム・ガーディアン演習が開かれる。朝鮮半島の偶発状況を仮定して毎年実施しているこのシミュレーション訓練に対し、北朝鮮は「北侵略演習」として常に敏感な反応を見せてきた。

 国連安保理の強力な対北朝鮮制裁と韓米軍事訓練に北朝鮮が追加のミサイル試験などで対抗した場合、朝鮮半島の緊張は手のほどこしようもなくなる。軍事的緊張が高まれば偶発的武力衝突の可能性も高くなる。したがって政府は安保理対北朝鮮制裁決議案の採択以降、朝鮮半島の危機管理にも乗り出さねばならない。

 中国やロシアは決議案の採択に参加しながらも、6者会談や朝鮮半島への高高度防衛ミサイル(THAAD)配備中断などを求めた。「今は対話局面ではない」と宣言する米国とは朝鮮半島の解決策は根本的に違ったのだ。

 今回の制裁にも実効性の議論が起きているのは、中国とロシアが果たして実際にどれだけ加わるかについての疑問のためだ。米国主導の制裁一辺倒方式だけでは朝鮮半島問題の根本的解決が難しい理由だ。「朝鮮半島問題の主導的役割」を自任する文在寅(ムンジェイン)政権としては対北朝鮮制裁の国際協調に参加しながらも北朝鮮との対話の綱を放さないなど、米国と中国の間で国益を最大化する細心な戦略を追及追い求めるべきである。朝鮮半島問題はイデオロギーや白黒論的な解決法よりも、平和や実効性を最優先にするのは当然である。北朝鮮との水面下の接触の試みやそれを通じた特使の相互訪問、さらには停戦協定を恒久的な平和協定に変える問題に至るまで各段階ごとに体系的な戦略を緻密に準備することを願う。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: 2017/08/06 17:54

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/805717.html 原文: 訳T.W

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