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トランプ大統領「適切な状況になれば、金正恩に会う」…就任後初めて言及

登録:2017-05-03 01:32 修正:2017-05-03 07:45
ブルームバーグ通信とのインタビューで  
「彼に会えれば光栄」との発言も  
米国、対北朝鮮圧迫を強化しながらも、  
一貫して対話のジェスチャー  
ホワイトハウス「今は条件が揃っていない」  
非核化が前提であることを明確に 
ドナルド・トランプ米大統領が今月1日、ホワイトハウスでブルームバーグ通信とインタビューを行っている/ブルームバーグ通信

 ドナルド・トランプ米大統領が「適切な状況になれば」北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長と会う用意があると明らかにした。トランプ大統領が就任以降、米朝首脳会談の意向を明示的に言及したのは今回が初めてだ。

 トランプ大統領は1日(現地時間)、ホワイトハウス執務室で行った「ブルームバーグ通信」とのインタビューで「私が彼(金正恩)と会うのが適切ならば、もちろんそうするだろう。彼に会えれば光栄だ」と話した。

 トランプ大統領は「ほとんどの政治的な人たちは決してそんなふうに言いたがらないが、私は適切な状況になれば、彼に会う用意があるとあなたたちに話しているのだ。今ニュース速報を述べている」と明らかにした。

 トランプ大統領は大統領選挙期間中だった昨年6月、ヒラリー・クリントン民主党候補の対北朝鮮強硬策との差別化を図る選挙戦略として、金委員長と「ハンバーガー対話」もあり得ると言及したことがある。また、北朝鮮が中長距離弾道ミサイルを発射した直後の2月23日、ロイター通信とのインタビューでは、金委員長との会談の可能性について「決して『ノー』とは言いたくない。(しかし)今の状況からすると、あまりにも遅すぎた」と述べた。会談の可能性を残しつつも、懐疑的な考えをほのめかしたのだ。これに比べ、今度の発言は「適切な状況になれば」という条件付きではあるものの、より積極的かつ具体的と言える。

 この発言が高度の戦術的な考慮から出たのであれ、計算なしの突発的発言であれ、北朝鮮には対話のテーブルに復帰できる魅力的な名分を提供する可能性がある。米大統領が直接「金正恩体制」を認めるというシグナルを送っただからだ。また、意図したものであれ、単なる間違いであれ、「光栄」(be honored)という表現を使い、最大限の外交的形式を踏もうとした点も注目すべきだ。

 最近になってトランプ政権は「最高の圧迫と関与」という対北朝鮮政策基調の中で、一方では北朝鮮に対する圧迫を強化しながらも、他方では非核化交渉に向けたメッセージを送り続けている。レックス・ティラーソン国務長官は4月27日(現地時間)、米朝対話の可能性を示唆したのに続き、28日には国連安全保障理事会で非核化に対する見返りとして経済支援の可能性に言及した。トランプ大統領の発言はこのような基調の延長線上にある。

 米朝首脳会談が現実化するためには、トランプ大統領が言及した「適切な状況」が満たされなければならない。これと関連し、ホワイトハウスのショーン・スパイサー報道官は定例記者会見で「北朝鮮の行動と関連して、整えなければならない、信頼を示してもらわなければならない多くの条件がある」とし、「今は明らかにそのような条件が揃っていない」と釘を刺した。特にスパイサー報道官は会談条件として、北朝鮮が挑発的状況を作らないと共に、「核能力を完全に解体することについて、真摯であるべき」との条件をつけた。「朝鮮半島非核化」に向けたロードマップのどこかに米朝首脳会談を念頭に置いているが、(そのためには)「非核化」の進展が必要だという点を明確にしたのだ。

 トランプ大統領が「北朝鮮と大規模な衝突の可能性がある」と発言してから、金正恩委員長に会えれば「光栄だ」と述べるなど、急激に進路を変更したかのような態度を示したことで、対北朝鮮政策に対する米国世論の信頼を得られない恐れもある。ホワイトハウスの定例記者会見では「(脅威を与えている)金正恩委員長に会うのがなぜ光栄になるのか」という質問に対し、スパイサー報道官が「金正恩は依然として国家元首であるためだと推定される。これに対する外交的な言及」だと釈明するなど、対応に追われた。

ワシントン/イ・ヨンイン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/america/793182.html 韓国語原文入力:2017-05-02 22:42
訳H.J(1879字)

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