日本の安倍晋三首相内閣の支持率が「北風」に乗って上昇傾向にある。安倍内閣支持率は先月森友学園スキャンダルでしばらく下落したが、今月に入って、朝鮮半島の緊張が高まる状況を積極活用した様々な発言と政策を打ち出したことで、上昇基調が鮮明になってきた。
毎日新聞は22~23日、1011人を対象にした世論調査で、安倍内閣を支持するという意見が51%で、先月の調査より1%ポイント増えたと24日報じた。支持しないという意見は、先月より1%ポイント減少した30%に止まった。23日に発表された共同通信の世論調査では支持率上昇がさらに明らかである。22~23日に実施した世論調査で、安倍内閣の支持率は58.7%で、先月よりも6.3%ポイント上がった。
安倍内閣支持率は、先月まで大阪にある森友学園が小学校敷地を国から格安に手に入れたことに安倍首相と昭恵夫人が関与したという疑惑が広がり、下落した。読売新聞が先月20日発表した世論調査で、安倍内閣の支持率は2月より10%ポイント下落した55%に落ち込んだ。2012年の第2次安倍内閣発足以来、最悪の下落傾向だった。
森友学園スキャンダルは真相不明のまま幕引きになったが、それ以降も安倍内閣は閣僚と政治家の相次ぐ失言と妄言という悪材料に悩まされてきた。今月初め、今村雅弘復興相が、福島原発事故と関連し自主避難した人たちの状況について「自己責任」と発言したのに続き、自民党の古屋圭司選挙対策委員長は沖縄うるま市長選挙と関連して、野党系候補の公約を「詐欺行為にも等しい沖縄特有のいつもの戦術」と非難し、物議をかもした。
しかし、代案勢力がないため、安倍首相は決定的打撃を受けなかった。第1野党の民進党の支持率は森友学園スキャンダル以降にも6~7%で、民主党と維新の党が統合して再発足してから1年あまりで、最低水準にとどまっている。
安倍内閣は今月に入ってからは朝鮮半島の緊張状況を積極的に活用した強硬発言とさまざまな対策を打ち出し、支持率をさらに引き上げたものとみられる。
今月11日、日本の外務省が韓国を訪問する日本人は、朝鮮半島情勢に注意すべきとの警告文を掲示しており、13日には安倍首相が直接乗り出して根拠も提示せず、「北朝鮮が(毒ガスである)サリンガスをミサイル弾頭に装着する可能性がある」と述べた。21日には、日本政府が、朝鮮半島の有事の際には韓国滞在日本人を自衛隊を投入して救出し、それができない場合はひとまず朝鮮半島南部に避難させた後、海路を通じて日本南部に移動させるという計画を立てた。23日には長崎の佐世保港から海上自衛隊の護衛艦2隻を出港させ、米空母カールビンソン戦団と西太平洋で共同訓練を実施している。
共同通信は民進党のある幹部が「『昭恵スキャンダル』(森友学園スキャンダル)を追及し切れない状況で、国民の視線が外部(北朝鮮など外交問題)に向けられた」と話したと伝えた。