本文に移動

独島・慰安婦歪曲“アベノ教科書”小中高で完結

登録:2017-03-24 21:48 修正:2017-03-25 08:51
4年越しの安倍右傾化教育 
教科書作り直しが一段落 
「独島は日本領土」に釘を刺し 
日本軍「慰安婦」叙述は後退 
出版社に修正命令で強圧 
「歴史教育を政治道具化」批判
24日、日本の文部科学省による検定を通過した高等学校教科書は、植民地侵略と野蛮な人権蹂躪の実態を歪曲し隠ぺいしている=東京/聯合ニュース

 24日に公開された日本の高等学校高学年用歴史・社会科目教科書の検定結果を最後に、安倍晋三首相が4年越しで推進してきた“教科書改悪作業”が折り返し地点を回ることになった。

 2012年末、再執権に成功した安倍首相は、日本が過去に犯した侵略と植民支配の歴史を反省してきた“自虐史観”のせいで子供たちが国家に対する自負心をなくしているとして、大々的な教育の右傾化を推進してきた。その核心が他でもない「教科書記述」の改悪だった。安倍首相は執権1年後の2014年1月、教科書の執筆基準になる「学習指導要領解説書」と「教科書検定基準」を改定し、教科書に独島が「日本の固有の領土」であることを釘を刺し、歴史関連内容を書く時は「政府の統一見解」に従うようにした。それにより2014年小学校、2015年中学校、2016年高等学校低学年歴史・社会教科書に「竹島(独島の日本名)は日本固有の領土だ。韓国が不法に占拠している」という内容が含まれ、日本軍「慰安婦」など歴史関連記述が大きく後退した。日本が「教科書を執筆する時は周辺国に配慮する」という「近隣諸国条項」(1982年)が廃棄されたのだ。

 今年の検定で最も目につくのは、慰安婦関連記述が高等学校教科書からも消え始めた点だ。昨年検定がなされた<日本史A>の場合、検定を申請した6社の出版社でそろって慰安婦記述が含まれていたが、今回は13種の歴史教科書のうち4種から関連記述が消えた。これに先立って、中学校では1996年教科書に慰安婦記述が初めて含まれたが、安倍首相など右翼の反発で1種を除いてすべての教科書から関連記述が削除されたことがある。

 そのうえ慰安婦記述が含まれた教科書でも、慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的解決」を宣言した12・28合意関連内容が大挙して含まれた。この過程で日本政府は、出版社に積極的に修正命令を下すなど露骨に介入したことが確認される。実教出版の<日本史B>の場合、当初出版社が検定を申請した時点では12・28合意内容は含まれていなかった。しかし、日本政府は「生徒たちが誤解する恐れがある」という理由で、出版社に関連内容を反映させるよう修正命令を下した。また「駐韓日本大使館前の少女像問題の適切な解決のために努力する」という韓国のユン・ビョンセ外交長官の発言も紹介させた。 実教出版は合意の内容を記述しながらも「この合意に対して元慰安婦の全員が納得しているわけではない」という表現を入れた。東京書籍など他の出版社は「韓国政府が設立した財団に日本政府の資金を拠出して、韓日両国政府が慰安婦問題を“最終的かつ不可逆的に解決”することで合意した」という内容を忠実に入れた。

 教科書を政権の好みに合うように変えようとする安倍政権の態度は、集団的自衛権など他の懸案に対する記述でも確認される。実教出版は<政治・経済>教科書に安倍政権が2014年7月に集団的自衛権を行使できるよう憲法解釈を変更した問題について、「一介の政権の解釈によりこれまで違憲とされてきたものを合憲といえば、憲法の存在意義が失われる」として批判的に記述した。すると日本政府は「生徒たちが理解できない表現」という理由で、該当する一節を「憲法9条を改正しなければならないという意見もある。(今後)憲法改正に対する動きが本格化する可能性もある」という内容に変えるようにした。

 日本の市民社会と連帯して教科書運動を進めてきたアジア平和と歴史教育連帯(以下、歴史教育連帯)のイ・シンチョル常任運営委員長(成均館大研究教授)は「教科書に政府の立場を露骨に反映しろと修正指示をするのは、きわめて深刻な政治介入であり、歴史教育を政治の道具にする試みだ。日本政府は朴槿恵(パク・クネ)政権が歴史解釈を独占しようとしたが失敗し、結局政権が崩壊することになったことを考えなければならない」と指摘した。彼はさらに「日本政府の誤った教科書介入に対抗し、全世界の教科書が慰安婦問題を扱えるよう市民運動を展開する予定」と話した。

東京/キル・ユンヒョン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/787920.html 韓国語原文入力:2017-03-24 20:02
訳J.S(1964字)

関連記事