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日本のネット右翼を取材するジャーナリスト、「安倍内閣自体がネット右翼的体質」

登録:2017-03-23 23:06 修正:2017-03-24 10:42
「ネット右翼が教育現場に浸透 
強要する愛国は愛国とは言えない 
安倍首相には理想的な幼稚園 
問題になるとすぐに尻尾切り」
21日、新宿でフリージャーナリストの安田浩一氏が森友学園スキャンダルについて話している=チョ・ギウォン記者//ハンギョレ新聞社

 韓国でも翻訳出版された『街頭に出てきたネット右翼』(原著:『ネットと愛国 在特会の「闇」を追いかけて』)の著者で、日本の右翼に対する専門家であるフリージャーナリストの安田浩一氏(52)は、最近日本の政官界を揺さぶっている「森友学園スキャンダル」について「日本のネット右翼的な思考が教育現場に浸透したと見ることができる」と話した。彼は「安倍内閣自体がネット右翼的な体質を持つ」とも語った。「ネット右翼」とは、インターネットをベースに人種差別的で国粋主義的な活動をする人々をいう。

 21日、東京の新宿で会った安田氏は、森友学園問題の本質は単純な土地取引疑惑ではないと話した。森友学園は昨年6月、小学校を設立するとして政府から国有地を鑑定価格の14%に過ぎない安値で譲り受ける契約を結び、この取引に対する安倍首相と官僚らの関与の有無が争点に浮上している。

 しかし、彼は「森友学園問題は(不正腐敗の他にも)教育の側面がより大きな問題だ。 幼稚園生に「安倍首相ガンバレ」と叫ばせるような醜悪な教育は、第2次大戦以前にも無かった」と話した。彼は「(森友学園理事長である)籠池泰典氏の教育を、保守とか民族教育ということも間違いだ。(森友学園は)ネット右翼だ。それは愛国心でもない。 強要されてできた愛国心は愛国心ではない」と話した。

 安田氏は森友学園が運営した塚本幼稚園に子供を送った両親の中には、在日韓国人や中国系もいたことを指摘した。「その学校が良くて子供を送ったのではなかった。家から近かったり、家の前をスクールバスが通ったので送っただけだった」と話した。彼は「私が最も問題だと考えるのは『韓国人が嫌いです。中国人が嫌いです』と堂々と話し、それを当事者に伝達することだ。一部だがこれが「日本の空気(雰囲気)だと思う」として「森友学園は教育機関としてしてはならないことをした。人を傷つけて地域共同体を破壊した」と指摘した。

 安田氏はまた、安倍政権について「民主党政権でかえってネット右翼が気勢を上げた。安倍政権では安倍政権自らがネット右翼化したと考える。安倍内閣は排他的、攻撃的、愛国的など十分にネット右翼の要素を持っている。安倍政権以後、在特会(「在日特権を許さない市民の会」という嫌韓組織)はさらに大きくなることはなかった。政権自体がネット右翼なので、(既存のネット右翼だった)在特会は必要なくなった」と指摘した。

 安田氏は森友学園の教育方針がまさに安倍政権の指向するところと一致するとし、今回の事件をこのように整理した。

 「森友学園の理事長である籠池氏は、安倍首相がやりたい教育を先にやった。安倍政権は“愛国教育”、全国の幼稚園・保育園で日本国旗(日の丸)を掲げて君が代を歌わせる方針を出している。 (森友学園が運営した)塚本幼稚園はこれを先取りした。問題になるや安倍が“とかげの尻尾を切るように”切り捨てようとしているが、安倍がしたいのはこのような教育ではないのか。(安倍政権は)日本全体の幼稚園を塚本幼稚園のようにしたかったのだと思う」

東京/チョ・ギウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/787785.html 韓国語原文入力:2017-03-23 19:22
訳J.S(1536字)

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