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読売新聞、憲法裁判所判決に「国民の声におもねったとすれば行き過ぎだろう」

登録:2017-03-12 22:11 修正:2017-03-13 06:36
朴槿恵弾劾以後、12・28慰安婦合意破棄憂慮 
日本マスコミ、朴大統領罷免を社説で過度な口出し 
朝日などは韓国の躍動的民主主義への肯定評価も
日本の新聞による韓国の内政に対する口出し的干渉が度を越している。読売新聞は12日付で、朴大統領を罷免した憲法裁判所の全員一致判決に対して「政治的決定」ではないかという疑問を提起した//ハンギョレ新聞社

 10日に下された韓国憲法裁判所の「朴槿恵(パク・クネ)罷免」決定に対して、日本のマスコミが韓国の内政に種々の口出しをしている。朴大統領の罷免以後にも日本軍「慰安婦」問題に対する韓日政府間12・28合意を誠実に履行し、両国間の安保協力は持続しなければならないという主張が大部分だが、他国の内政に影響を及ぼしかねない行き過ぎた言及も目につく。

 日本の保守を代弁する読売新聞は12日、朴槿恵大統領の罷免を確定した韓国憲法裁判所の10日の決定に対して「司法の行き過ぎた政治的決定か」というタイトルの特別社説を載せた。社説で同新聞は、憲法裁判所が「朴氏が崔被告の国政介入を隠蔽し、政府から独立して捜査する特別検察官や検察の取り調べに応じなかったとも指摘した。(それにより)朴氏には『憲法を守る意志がない』と結論づけた」として「憲法裁が、大統領罷免を求める国民の声に阿(おもね)って権力を行使したとすれば、行き過ぎだろう」と指摘した。進歩と保守を合わせた8人の韓国の憲法裁判官が下した「全員一致」の決定に対して、外国のマスコミが「国民におもねった政治的決定」ではないかと疑問を提起するのは行き過ぎた干渉と受け止められる。

 それと共に新聞が強調したことは、韓米日3角同盟の深化と12・28合意の尊重だった。新聞は「朝鮮半島を巡る緊張は日増しに高まっている」だけに「日米韓3カ国の連携維持が不可欠であることを忘れてはならない」として、韓国へのTHAAD配備に「執拗に反対する中国の様々な圧力に屈しない姿勢が求められよう」として、安倍政権が10億円で慰安婦問題を「最終的かつ不可逆的」に解決した12・28合意に対しても「朴氏と日本が互いに譲歩して作り出した貴重な外交的成果」として、これを継承することを要求した。

 朝日新聞は朴大統領を弾劾に追い立てた韓国民主主義の躍動性に敬意を表わし、韓国の国政が安定化されることが何より重要だという見解を明らかにした。同新聞はこの日「国政の安定化が急務だ」というタイトルの社説で「民衆の圧倒的な行動が『絶対権力』といわれた大統領の交代をもたらしたのは、韓国型民主主義のひとつの到達点として歴史に残ることだろう」として、韓国民主主義の躍動性と憲法裁判所の決定に肯定的な評価を下した。それと共に、日本政府に向けては、「一時帰国」状態が2カ月以上続いている長嶺安政大使を「早く任地に戻し、新政権ができるまでの情報収集や対話のパイプづくりに万全を期すべきである」と指摘した。

 日本経済新聞は「韓国は現実見据えた大統領選の論戦を」というタイトルの社説で「懸念されるのは、野党勢力に朴政権の政策まで全面否定する動きが出ていることだ。とくに北朝鮮とは融和路線に転換し、米韓や日米韓の安全保障協力を見直すべきだとの議論が浮上している」として、韓国保守政権の推進してきた対北朝鮮・対日政策に対する修正を検討する韓国野党の動きを警戒した。新聞は続けて「THAADの韓国配備、日韓が結んだ軍事情報包括保護協定(GSOMIA)は、北朝鮮の脅威に日米韓が連携して対処するうえで欠かせない」として、韓国の次期政権に朴槿恵政権の既存の外交路線を継承することを要求した。また、現在韓国内で破棄または再協議の世論が高まっている12・28合意に対しても「(これの見直しは)言語道断だ。仮にほごにするようなら日韓の信頼関係は損なわれ、韓国に対する国際的な信認も失墜するだろう」としてこの合意を継承することを主張した。

 これに比べて日本政府は、公式的には朴大統領の今回の罷免決定に対して「外国の内政に関する事案であるからコメントは差し控える」という立場を維持している。しかし10日、岸田文雄外相と菅義偉官房長官は共に、韓国の新しい政権は12・28合意を「誠実に履行しなければならない」という認識を明らかにした。

東京/キル・ユンヒョン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/786122.html 韓国語原文入力:2017-03-12 19:29
訳J.S(1937字)

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