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北朝鮮・マレーシア、自国内の相手国民に出国禁止で“対抗”

登録:2017-03-07 22:43 修正:2017-03-08 06:30
北朝鮮が先にマレーシア人に出国禁止措置 
「我が国民を人質にした」として正面対抗 
金正男殺害事件で軋轢「断交」の危機
北朝鮮とマレーシアが相互に自国内にいる両国国民に対する出国禁止措置を下した7日、マレーシアのクアラルンプールにある北朝鮮大使館周辺に機関銃で武装したマレーシア警察が配置され、大使館周辺を封じ込めた=クアラルンプール/EPA聯合ニュース

 北朝鮮が自国内のマレーシア国民の出国を禁止し、マレーシアも自国内にいるすべての北朝鮮国民の出国を禁止した。金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長の異母兄である金正男(キム・ジョンナム)氏(46)殺害事件で起きた両国の軋轢が断交にまで駆け上がる可能性が高まっている。

 北朝鮮の朝鮮中央通信は7日「朝鮮民主主義人民共和国外務省儀礼局は、該当機関の要請により朝鮮国内にいるマレーシア公民の出国を臨時的に許容できない旨をマレーシア大使館に通知した」と報道した。同通信は続けて出国禁止期間を「マレーシアで起きた事件が公正に解決され、マレーシアにいる朝鮮外交官と公民の安全担保が完全になされる時まで」と釘を刺した。マレーシア外務部は、現在北朝鮮に外務部職員3人と家族など計11人がいると明らかにした。

 北朝鮮の発表直後にマレーシアも自国内の北朝鮮国民の出国を禁止した。マレーシアのナジブ・ラザク首相は「北朝鮮内マレーシア国民の安全が担保される時まで、マレーシア内のすべての北朝鮮人の出国を禁止するよう警察庁長官に指示した」と明らかにしたと現地メディア「ザ・スター」などが報道した。ナジブ首相は「マレーシア国民を人質として捉える北朝鮮の嫌悪すべき措置は、国際法と外交慣行を総体的に無視している」として、北朝鮮に自国人の出国禁止を直ちに解除するよう要求した。彼は「北朝鮮が出国禁止を解除しなければ追加の措置を取りうる」と明らかにした。マレーシアは緊急国家安保会議を招集して対策を議論した。マレーシアには現在1千人あまりの北朝鮮国民がいると推定される。

 北朝鮮とマレーシアの関係が悪化して、両国が大使館閉鎖・撤収、または断交まで行き着きかねないという話も出ている。北朝鮮は先月13日、クアラルンプール国際空港で殺害された金正男(キム・ジョンナム)事件と関連して、マレーシアの警察調査は信頼できないとし遺体の引き渡しを要求したが、マレーシアはこれを拒否した。マレーシアは北朝鮮とのビザ免除協定を破棄したのに続き、6日にはカン・チョル北朝鮮大使まで追放した。これに対抗して北朝鮮も自国駐在マレーシア大使に追放令を下した。

 マレーシア警察は、金正男殺害事件の容疑者であるヒョン・グァンソン北朝鮮大使館2等書記官(44)と高麗航空職員キム・ウクイル氏(37)が北朝鮮大使館に隠れていると見ている。北朝鮮による国民出国禁止令が下された後、機関銃を所持したマレーシア警察官15人が北朝鮮大使館周辺を封じ込めた。マレーシア警察庁のカリド・アブ・バカル長官は「5年かかろうとも(大使館の)外で(容疑者を)待つ」と話した。

ファン・クムビ、チョン・インファン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/785467.html 韓国語原文入力:2017-03-07 16:52
訳J.S(1450字)

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