金正男(キム・ジョンナム)氏の殺害容疑者のうち、北朝鮮籍では唯一逮捕されたリ・ジョンチョル(46)が3日午前、拘禁中だったマレーシアのセパン警察署から釈放された後、同日午後直ちにマレーシアから追放されたと、AP通信や地元メディアが報じた。
約2週間捜査を受け、同日釈放されたリ・ジョンチョルは直ちに北朝鮮に強制追放される手続きに入り、同日午後6時25分、マレーシア航空便でマレーシアを離れた。リ・ジョンチョルは北京を経由して平壌入りするという。
マレーシア当局はリ・ジョンチョルが金正男氏の殺害直後、北朝鮮に逃走した4人の容疑者に車両と宿泊を提供するなど、犯行を支援したと見ているが、明確な物証の確保に失敗し、起訴を放棄した。しかし、代わりに現地の健康食品会社に偽装就職したのが、移民法を違反したという容疑で追放したことだ。
同日、マレーシアのアニファ・アマン外相は公式声明を出し、「公共場所でVXを利用したのは、多くの人たちを危険に陥れる行為」だとし、「北朝鮮国籍の容疑者らによる殺害行為を強く糾弾する」と明らかにした。
カリド・アブバカル警察庁長官は2日、金正男氏が心臓疾患で死亡したという北朝鮮の主張を反ばくし、「専門家らは(遺体で発見された物質が)猛毒性神経作用剤のVXと確認した」と発表した。これに先立ち、マレーシアに北朝鮮代表団として派遣されたリ・ドンイル元国連代表部次席大使は「キム・チョルが心臓病を患っており、時々治療を受けていた」として、死因が心臓疾患だと主張した。