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トランプ-安倍、北朝鮮弾道ミサイル発射に“微妙な温度差”

登録:2017-02-12 22:47 修正:2017-02-13 07:06
緊急共同記者会見で 
安倍「容認できない」強力非難 
トランプは「北朝鮮」「ミサイル」言及なく 
「日本を100%支持」のみ 
「北朝鮮を刺激しないため極めて慎重な対応」分析
ドナルド・トランプ米大統領と米国を訪問中の安倍晋三日本首相は11日(現地時間)、フロリダ州パームビーチのマー・ア・ラゴリゾートで緊急記者会見を行い、北朝鮮の弾道ミサイル発射を強力に糾弾した。写真はトランプ大統領(右)と安倍首相がこの日記者会見する様子=パームビーチ/AP聯合ニュース

 12日午前7時55分、北朝鮮が弾道ミサイルを発射すると、11日午後10時40分(現地時間)ドナルド・トランプ米大統領と米国を訪問中の安倍晋三首相がフロリダ州パームビーチのマー・ア・ラゴリゾートで予告されていなかった緊急共同記者会見を行い、北朝鮮の弾道ミサイル発射を糾弾した。安倍首相が先に「北朝鮮のミサイル発射は絶対に容認できない」とし「今回の首脳会談でトランプ大統領は私に『アメリカはいつも日本を100%支持する』と確認した。彼のそのような決意を示すためにトランプ大統領がこの席に共にいる」と話した。それを受けてトランプ大統領は「『アメリカは私たちの重要な同盟である日本を100%支持する』ということを皆が理解し、完全に分かることを期待する」と応じた。

 この日の「緊急共同記者会見」は、北朝鮮のミサイル発射の4時間45分後の11日午後10時40分(現地時間)に突然行われた。米日代表団の晩餐を最後に、米日首脳会談の公式日程がすべて終わった状態であった。米日の首脳が夜中に予定外の共同会見を開いたことは、内外に対して米日が北朝鮮の威嚇に共同対応しているというメッセージを誇示する効果を十分に収めた。だが、形式的厳重さに比べて、その内容はむしろトランプ行政府が北朝鮮を刺激しないために極めて慎重を期していると見られる。安倍首相は北朝鮮のミサイル発射に対して「容認できない」とし、より強力に非難し「米日同盟を強化する」と述べて、北朝鮮を米日同盟の結束を固める結集点とすると強調した。一方、トランプ大統領は「アメリカが日本を後ろから支えている」という事実だけ簡略に言及するにとどめた。北朝鮮に対する批判もなく、「北朝鮮」、「ミサイル」という単語すらも口にしなかった。あたかも安倍首相の手に引きずられてやむなく出てきたような感じまで与えるほどに消極的だった。

 これは先月1日の新年の辞で大陸間弾道ミサイル(ICBM)の試験発射が最終段階に達したという金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮労働党委員長の「主張」に対しても、翌日の2日にツイッターで「そんなことはありえない!」として即刻反応を見せたこととも対照的だ。こうした慎重な対応は、今回のミサイルが米本土に直接的な脅威を与えうる長距離ミサイルではないためでもあるが、トランプ行政府の対北朝鮮政策樹立がまだ初期段階の状態で、対北朝鮮交渉のための機会の入り口を完全に閉じたくないという信号でもある。実際、トランプ行政府の雰囲気を見れば、対北朝鮮強硬基調が少しずつやわらいでいる。バラク・オバマ行政府が任期終了を控えて承認したユニセフを通した対北朝鮮支援に最近最終署名したかと思えば、米国の対北朝鮮人道支援団体の訪北も相次いでいる。

 北朝鮮の立場から見れば、トランプ大統領を緊急記者会見場に立たせたことによって、北朝鮮核・北朝鮮イシューの米国対外政策優先順位を押し上げるという所期の目的を達成したと見られる。すでにトランプ大統領は10日、安倍首相との首脳会談後の共同会見で「北朝鮮の核とミサイル脅威は優先順位が非常に高い」と強調したことがある。

 ただし、米日の首脳が10日の共同声明で「両国は国連安全保障理事会の対北朝鮮制裁決議の徹底した履行を約束し、北朝鮮核威嚇などに対処するために韓米日3国の協力が重要だ」と明らかにした点に照らしてみれば、米国の対北朝鮮政策樹立が完結したり、朝米関係の突破口が用意される時までは現状況が維持されると予想される。万一この過程で北朝鮮が核実験や長距離ミサイルの試験発射などを行えば、状況は再び途方もなく悪化することがありうる。

ワシントン/イ・ヨンイン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/america/782300.html 韓国語原文入力:2017-02-12 17:52
訳J.S(1880字)

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