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[社説]北朝鮮のミサイル挑発と重大な局面の朝鮮半島

登録:2017-02-12 21:17 修正:2017-02-13 07:31
ドナルド・トランプ米大統領(右)が11日夜(現地時間)、米国フロリダ州パームビーチのマー・ア・ラゴリゾートで安倍晋三首相とともに緊急記者会見を開き、北朝鮮の弾道ミサイル発射について見解を明らかにしている=パームビーチ/AP聯合ニュース

 北朝鮮が12日朝、射程500キロメートルに達する弾道ミサイルを発射した。米国のドナルド・トランプ大統領就任以後初めてのミサイルによる挑発行為で、威嚇勢力としての存在感を誇示してトランプ新政権の反応を推しはかるためのものと見られる。発射時期を、北朝鮮に対して核・ミサイル開発計画の放棄や追加的な挑発の中止を強く求めた米日首脳会談の直後にしたのもそのような効果を最大限にする意図と解説できる。

韓国、米国、日本は直ちに北朝鮮の挑発行為を強力に糾弾している。国連の安全保障理事会の決議を違反しただけでなく朝鮮半島の緊張を激化する行動という点から、北朝鮮の行動は厳重に批判を受けて当然だ。10日(現地時間)のワシントン首脳会談を終えてフロリダに席を移し、ゴルフをしてから発射の情報を聞いたトランプ大統領と安倍首相は11日夜、予定外の緊急記者会見を行って北朝鮮に対する共同対応を改めて訴えた。安倍首相は「北朝鮮のミサイル発射は断じて容認できない」と語り、トランプ大統領は「米国は100%日本を支援する」と応酬した。韓国政府も国家安全保障会議の常任委員会を開くなど対策を忙された。

しかしトランプ政権の朝鮮半島政策がいまだに定まっていないうえ、韓国は事実上国政の空白状態にあるため、発言のほかに効果的な対応をすることは難しい実情である。朝鮮半島をめぐる国際情勢もトランプ政権の登場以後、米中日の関係調整が真っ最中という流動的な状況である。「一つの中国」を認めるかをめぐってふらついている米中関係はトランプ大統領と習近平主席の電話会談で最悪化は免がれたが、対北朝鮮政策の調整にまで発展するにはまだまだのように見え、米日関係は10日の首脳会談を機に安保分野では結束を見せたが、経済分野ではいまだに食い違いを残している。

このような不安定で流動的という状況で最も残念なのは、朝鮮半島問題の当事者である韓国の声が反映される余地が減っているという点だ。米国で北朝鮮に対する先制攻撃論まで議論されているという状態なのにである。政界と政府当局は岐路に立っている朝鮮半島問題の深刻度を減らし、朝鮮半島の平和のための主体的な努力をしなければならない。北朝鮮も、挑発では状況を悪化させるだけだということを肝に銘じるべきである。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

韓国語原文入力:2017/02/12 16:18

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/782284.html 原文: 訳T.W

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