米国の大統領選挙前後に、次期政府の対北朝鮮政策と関連しワシントンの内部で強硬派と実用派の間で公開的に激しい論争が起きているが、北朝鮮の核開発の凍結を短期的目標に設定し北朝鮮との交渉に乗り出すという実用派の意見が「有意的に」多いことが分かった。
ハンギョレがトランプ大統領当選後に米国内の専門家を対象に9日(現地時間)から13日までアンケート調査を実施した結果、「北朝鮮との交渉の短期的目標に、非核化ではなく既存の核開発の凍結を設定」することに対する個人的な意見を聞いたところ、回答者14人のうち11人が賛成した。反対した専門家は3人だけだった。
下院外交委員会の専門委員出身であるジョーンズ・ホプキンズ大学研究員のデニス・ハルピン氏は「『牛を失って牛小屋を直す(後の祭り)』という韓国のことわざを想起すべきだ」とし、「金正恩(キム・ジョンウン)は核兵器を決して放棄しないだろう。だから核実験やミサイル発射を凍結する交渉を追求することがはるかに現実的で到達可能だ」と指摘した。
特に、中道指向の専門家はもちろん、対外的に強硬派として知られている専門家の数人も匿名を条件に「核開発の凍結」に条件付き賛成の意思を明らかにした。米国内でも相当な対北朝鮮強硬派として知られている国防関連シンクタンクのある関係者は「大きな成功は難しいだろうが、(凍結交渉に)賛成する。もちろん交渉が成功しても、北朝鮮は協定に違反するだろう。しかし、米国は依然として交渉を試みる必要がある」と話した。対北朝鮮強硬派として知られる米国4大シンクタンクのある専門家も「手網を解いた核開発を制御する必要がある」として「凍結交渉」に賛成した。
一方、ビル・クリントン政府で勤務したある専門家は「(核開発の凍結を)どう検証できるのか。どれほど長く凍結するというのか。さらには北朝鮮が何かを凍結する意志があるのか。凍結は蜃気楼」と「凍結交渉」に強い否定的反応を見せた。
ワシントンで北朝鮮との交渉の必要性に共感する流れが起きていることは、バラク・オバマ政権の対北朝鮮政策に対する批判的評価と脈絡を共にするものと解釈される。
オバマ政権の対北朝鮮政策に評価点をつけるならばという質問に、回答者14人のうちC、D、F評価が4人ずつで最も多かった。AとBの評価点をつけた専門家は各1人だった。F評価をつけたワシントンのシンクタンクの高位関係者は「北朝鮮のさらに多くの核兵器や核燃料(生産)、さらに多くのミサイル、相次ぐ人権侵害、高まるサイバー脅威など、すべてが悪化した」、「オバマ、李明博(イ・ミョンバク)・朴槿恵(パク・クネ)大統領、安倍晋三首相、習近平主席の対北朝鮮政策は総体的に失敗」と規定した。