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「トランプ」と韓米同盟の強化…朴大統領は交渉でトランプを勝てるか

登録:2016-11-11 00:22 修正:2016-11-11 07:06
「米国優先主義」と孤立主義で一貫…戦時作戦統制権の返還を終え、防衛費分担の要求強まる見込み 
トランプ政権、北朝鮮核問題政策も不確実性が高く…制裁強化に固守すれば失敗を招く
朴槿恵大統領(右)とカザフスタンのナザルバエフ大統領が10日、大統領府で開かれたMOU署名式で対話している/聯合ニュース

 ドナルド・トランプ米大統領当選人が10日に朴槿恵(パク・クネ)大統領との電話通話で、韓米同盟や米国の韓国防衛公約を再確認した発言をめぐり、韓国政府は不確実性が相当に消えたと解釈したい雰囲気だ。しかし、本格的に「トランプ政権」の形が完成されれば、米国の朝鮮半島政策が予測しがたい方向に動くであろうという見通しは少なくない。

 韓米同盟の未来と関連し、韓国外交部当局者はこの日、「トランプ大統領当選人と陣営の主要人事が同盟の重要性に言及してきたため、同盟重視の基調は維持するものと予想している」と話した。しかし、トランプが言及した「同盟」の内容は、朴槿恵政権が期待するものとは全く異なる様相を呈する可能性が高いと専門家らは指摘する。トランプが一貫して米国の利益を前面に立てる「米国優先主義」と「孤立主義」を唱えてきたからだ。米戦略国際問題研究所(CSIS)のビクター・チャ韓国碩座も9日(現地時間)、メモ形式の報告書を通じて「米国優先主義の観点」で見るとき、「『大統領トランプ』が(任期中に)戦時作戦統制権の返還を終え、関連する責任をすべて韓国に転嫁する可能性がある」と見込んだ。

 また、「韓米同盟の堅固さ」を再確認することと防衛費分担の増額は全く別問題だ。トランプは、米国の同盟を維持するためには韓国や日本、ドイツ、サウジアラビアなど同盟国が防衛費分担金をもっと出さなければならないという立場を撤回したことがない。防衛費分担問題はトランプの国内での支持基盤にも直結しており、今後も立場が変化する可能性はないと見なければならない。

第45代米大統領に当選したドナルド・トランプが9日(現地時間)、ニューヨーク・マンハッタンのヒルトン・ミッドタウンホテルで「包容」と「和合」を強調する受諾演説を行っている=ニューヨーク/AP聯合ニュース

 このような状況で、韓国が同盟の強化を米国に強く要求するほど、トランプ政権が韓国に要求する対価もそれだけ増えるのは避けられない。トランプが防衛費分担の増額を貫徹するため、在韓米軍撤退カードをちらつかせる可能性まで念頭に置かなければならない。朴槿恵政権がいち早く、多分に「国内の政治的理由」から「韓米同盟の強化」にこだわることは、交渉レベルでは自ら退路を塞ぐことに他ならない。

 朴大統領はまた、「北朝鮮の核問題は、韓米が直面した最大の脅威」とし、強力な対北朝鮮制裁圧力の必要性もトランプに呼びかけたという。しかし、トランプは中国が北朝鮮を圧迫するようにしなければならないという「中国役割論」と、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長との首脳会談、北朝鮮先制攻撃論など、極と極を行き来する発言をこれまでしている。このように不確実性が高い状況で、朴槿恵政権のようにもっぱら強硬策ばかりに固執していれば慌てふためくことになりかねない。国務・国防長官候補に取りざたされているジェフ・セッションズ共和党上院議員、ジョン・ボルトン元国連大使、マイケル・フリン元国防情報局(DIA)局長などが、おおむね北朝鮮問題に強硬なのは事実だ。しかし、これまでトランプが重要な決定をする時は参謀らの意見を大きく受け入れてこなかったことを考えると、彼らの影響力は制限的なものになるだろうと予想される。

ワシントン/イ・ヨンイン特派員、イ・ジェフン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/america/769734.html 韓国語原文入力:2016-11-10 16:57
訳M.C(1681字)

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