北朝鮮の5回目の核実験に対応する国連安全保障理事会(安保理)の対北朝鮮制裁決議案を巡り、米中間の協議が本格化するに伴い、米政府が決議案に反映される対北朝鮮制裁のレベルを高めるため、連日、新しいカードを切りながら中国政府を圧迫している。中国は、自国の民生に影響を及ぼしかねない内容については可能な限り抵抗するものと見られ、両国の主導権争いが激しさを増していくものと予想される。
米国務省のダニエル・フリード調整官(制裁担当)は28日(現地時間)、上院外交委員会の東アジア太平洋小委員会の聴聞会で、「(北朝鮮と貿易を行っている)中国企業を積極的に調査しているか」という議員たちの質問に対し、「そうだ。 調査している」と答えた。フリード調整官はさらに、「財務省と国務省は世界の多くの企業を調査している。私たちは証拠が導くところに向けて進むだけ」だと主張し、発言の波紋を最小化しようとする姿を見せた。しかし、フリード調整官の発言は、米財務省が北朝鮮の核とミサイル開発支援と関連し、中国の丹東鴻祥実業発展を制裁対象に指定した直後に出たものだ。
フリード調整官は、丹東鴻祥を制裁して中国の別の企業を調査している理由が、中国企業に対する圧迫にあることを隠さなかった。 彼は「中国の銀行と企業が、北朝鮮企業、特に制裁対象の企業と取引することは非常に危険で価値がないということを理解させるため」だと明らかにした。
彼はまた、米国政府の動きが、中国企業だけでなく、中国政府に対する圧迫という点も認めた。彼は「中国(政府)が、自主的にそのような措置を取るのがより良い選択」と述べた。これは、丹東鴻祥に対する中国当局の処罰が米国の期待に及ばなかったため、財務省の制裁対象に指定したことを示唆したものだ。中国当局が、北朝鮮と大量破壊兵器に関連した取引がある企業に対する調査と処罰に消極的である場合、米国が追加的な直接制裁に乗り出す可能性があることを予告したのだ。
フリード調整官は、北朝鮮の高麗航空についても「我々と同盟国が、高麗航空の活動を縮小し能力を制限したのは事実」と明らかにし、高麗航空の経由地制限を引き続き進めることを示唆した。パキスタンが、高麗航空の経由を拒否し、現在、高麗航空が離着陸する国は、中国、ロシア、クウェートの3カ国だけだ。中国とロシアが米国の要求を呑む可能性は低いものと見られる。
同日の聴聞会に共に出席したダニエル・ラッセル米国務省東アジア次官補も、中国が韓日の独自核武装の可能性を注視しているとしたうえで、「こうした点が中国の対北朝鮮圧迫努力を倍加するのに動機を与えると思われる」と述べた。米政府が、韓日核武装を認めないとしながらも、対中圧迫手段としては活用していることを示している。
ラッセル次官補はまた、評判の悪化と外交的手段を通じて北朝鮮への圧迫を加えている事実も公開した。彼は「今月末、全世界の米国公館に対して、駐屯国の政府が北朝鮮の5回目の核実験を糾弾し北朝鮮との外交的・経済的関係を格下げするよう要請せよと公式指示した」と明らかにした。
韓国語原文入力:2016-09-29 17:06