登録 : 2016.09.26 01:40 修正 : 2016.09.26 07:13

 最近、米国内で北朝鮮に対する先制打撃が北朝鮮核問題を解決する選択肢の一つとして検討されているとする報道が、韓国国内で相次いでいる。韓国の知人からも「本当に米国が先制打撃を検討しているのか」と懸念する電話がかかってきた。

 事実ならば、深刻な問題だ。しかし、そのようなことはないと言い切れる。北朝鮮に対する先制攻撃の可能性の根拠として韓国メディアに報道された、米ホワイトハウスのジョシュ・アーネス報道官の22日(現地時間)の発言を見てみよう。ホワイトハウスの定例ブリーフィングで、ある米国人記者が「オバマ大統領は北朝鮮に対する特別な計画を持っているのか。例えば、先制打撃のようなものを」と質問した。それに対し、アーネスト報道官は「そうですね,そのようなことはありません」(Well、I don't have any)と切り出した。

 彼はさらに、「一般的に、北朝鮮に限らず、先制的な軍事行動はどんなものでも作戦レベルの問題であるため、あらかじめ協議されることはない」と述べた。先制的な軍事行動(の計画)はないが、あるとしても、セキュリティ上の問題で記者団には公開できないというニュアンスをにじませたのだ。これを根拠に、米政府が北朝鮮に対する先制的な軍事行動を様々な選択肢の一つとして検討していると分析するのは、行き過ぎた飛躍だと言える。

 このような基調はアーネスト報道官の次の発言でも確認される。彼は「もっと一般論的に言うと、オバマ大統領は、北朝鮮問題について、特に最近、核実験の余波の後に『国際社会は、北朝鮮を孤立させるために、追加的な処置を講じることを検討する必要がある』と述べてきた。私の知る限り、国連で追加的な処置に向けて進められていることがある」と付け加えた。それは、国連安全保障理事会(安保理)で、新たな対北朝鮮制裁決議を協議していることを指すもので、目新しいものでもなければ、先制打撃とも程遠い内容だ。

イ・ヨンイン・ワシントン特派員//ハンギョレ新聞社
 それでも、老婆心から米国政府の議論の過程に詳しい対北朝鮮専門家に聞いてみた。「米政府で先制攻撃まで検討しているとは思えない」という意見を言うと、彼は「あなたの理解が正しい」と答えた。ワシントン外交筋にも聞いてみたが、彼は笑いながら「注目しなくてもよい。オバマ大統領は核の先制不使用宣言まで検討したではないか」と指摘した。

 北朝鮮の5回目の核実験後、先制打撃論を最初に取り上げたのは韓国の国防部だった。国防部は、公式ブリーフィングで「自衛権的レベルで北朝鮮に対する先制打撃も十分あり得ると思う」と明らかにした。現実性もない「爆弾発言」で国民をむしろ不安にさせ、北朝鮮の核政策の失敗を覆い隠そうとするこのような雰囲気に、マスコミまで乗り出して付和雷同する必要があるだろうか。

ワシントン/イ・ヨンイン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: 2016-09-25 16:45

http://www.hani.co.kr/arti/international/america/762607.html訳H.J

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