米外交協会(CFR)がバラク・オバマ行政府の対北朝鮮政策「戦略的忍耐」は失敗したとし、次期行政府に対してさらに積極的で断固たる「飴と鞭」政策を注文した。北朝鮮核問題の解決のための米中協力と北朝鮮に対する政治・軍事的圧迫の強化が骨子だ。
対外政策に関する提案書の性格を持つ今回の報告書は「北朝鮮の核兵器とミサイルプログラムが(北東アジアの)米国の同盟国と米軍と米本土に対する厳重かつ拡張された危険になっている」として「対北朝鮮戦略を変えずには次期米国大統領は米本土への攻撃能力を備えた北朝鮮を相手にせざるをえなくなりうる」と警告した。
米外交協会は、外交安保専門の民間シンクタンクで、米国の外交政策に大きな影響力を持っている。今回の報告書はマイク・ミューレン元合同参謀議長、サム・ノン元上院軍事委員長など外交安保の専門家17人で構成された超党派のタスクフォースが作成した。
報告書は「米中両国と米国の同盟国が北朝鮮の『核放棄』を圧迫することに協力できるならば、北東アジアが米中両国の主導で安定と繁栄を享受できる」とし「次期の米国行政府は、北朝鮮に対する中国の政策変化を引き出すことを米中関係の最優先政策としなければならない」と勧告した。
報告書はまた、厳格な対北朝鮮制裁と韓米日集団安保体制の強化を図るとともに、「交渉の再構築」の必要性も強調した。「北朝鮮の核凍結」から始め「朝鮮半島非核化」と「包括的平和交渉」まで幅広い懸案に対して北朝鮮が協力するようインセンティブを増やそうということだ。
報告書は「しかし中国が協力を拒否し、北朝鮮が交渉を拒否するならば、米国は韓国や日本と協力して『核兵器のない朝鮮半島』のための努力を加速する以外には選択の余地がない」と強調した。
具体的に「現時点では北朝鮮の崩壊を誘導することは米国の政策ではない」としつつも「北朝鮮が交渉を拒否し、核能力を増強し続けるならば、北朝鮮の政権の存立と核・ミサイル能力に対する直接的威嚇を含め、一層決定的な軍事的・政治的行動を考慮せざるをえないだろう」と主張した。やむを得ない場合は、北朝鮮に対する「先制打撃」も排除しないことを意味するものと見られる。
これに先立って16日、マイク・ミューレン元合同参謀議長は、米外交協会が主催した討論会で「もし北朝鮮が米国を攻撃できる能力に迫り米国を脅かすならば自衛的側面から北朝鮮を先制打撃することもありうると見る」と述べた。