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「金正恩は加虐的な独裁者」 米民主党綱領草案に北朝鮮への圧力維持を明示

登録:2016-07-03 22:08 修正:2016-07-04 06:55
中国の台頭に備え同盟強化 
ロシアには強硬姿勢
米民主党の事実上の大統領選候補ヒラリー・クリントン前国務長官//ハンギョレ新聞社

 米国大統領選挙を4カ月後に控え、民主党が1日(現地時間)に採択した政治綱領草案によると、北朝鮮に対する圧力を続ける一方、中国の浮上とロシアの積極的な動きに対応するため、同盟を強化することも再び宣言している。

 草案は、「直面したグローバルな脅威」という項目で、テロリズムとイランに続き、北朝鮮を3番目の脅威に挙げた。米国の1次的な関心がテロリズムにあることを裏付けていると言える。

 草案は北朝鮮と関連して、金正恩(キムジョンウン)労働党中央委員会委員長を「加虐的な独裁者」に、北朝鮮体制を「最も抑圧的な政権」と規定した後、「北朝鮮はこれまで数回の核実験を実施し、現在は米国本土を直接脅かす長距離ミサイルに核弾頭を搭載するための能力を開発しようとしている」と評価した。草案は、これに対する取り組みとして3つの案を提示している。第一に、米国と同盟を軍事的に保護するというもので、ヒラリー・クリントン元国務長官が政権を握った場合、韓米日のミサイル防衛(MD)体制の構築を加速させること予告する。第二は、北朝鮮の挑発を抑制するために中国を圧迫するもので、「中国役割論」はジョージ・ブッシュ政権時代から一貫した米国の対北朝鮮政策であり、目新しい内容ではない。

 最後に、草案は「北朝鮮が違法な核兵器とミサイルプログラムを放棄するように選択の幅を狭めていく」と明示した。北朝鮮が核の放棄を選択しなければ、制裁のレベルをさらに高めていくということだ。オバマ政権は、正式に対北朝鮮政策を説明する際に、何もしないというニュアンスが強い「戦略的忍耐」という用語の代わりに「北朝鮮の選択の幅を狭める」という表現を使用している。したがって、民主党の草案はオバマ政権の対北朝鮮政策と同じバージョンと言える。

 草案はまた、アジア太平洋地域では中国の台頭などに備え、「オーストラリアと日本、ニュージーランド、フィリピン、韓国、タイとの同盟をさらに強化していく」ことを明示した。また、「南シナ海における航行の自由を保護し、域内の制度と規範を強化するために、同盟と友好国と緊密な協力を続ける」として、アジア太平洋地域における中国の影響力の拡大を引き続き牽制していくことを明らかにした。

 ロシアに対し非常に強硬な立場を示したことも目を引く。草案は「ロシアは接境地域で不安定な行為に関与しながら、ウクライナの主権を侵害し、米国の利益を侵害する勢力圏を再び作り上げようとしている」と批判した。草案は、「ロシアがこれまで通り、核弾頭の削減やイランの核プログラムの解体、対北朝鮮制裁、アフガニスタンへの軍隊の再投入などのように、私たち(米国)の利益と合致する場合はプーチン大統領と協力する用意があるが、ロシアの攻撃的な行為に対しては躊躇なく戦うことを明らかにする」と断固たる意志を示した。これは、クリントン氏のタカ派的な認識が強く反映されたものと見られる。

ワシントン/イ・ヨンイン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-07-03 16:17

https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/750683.html 訳H.J

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