登録 : 2016.03.31 22:41 修正 : 2016.04.01 06:46

 バラク・オバマ大統領政権の約7年間、何度も批判的な記事を書いてきた。主に北朝鮮政策と関連したものだったが、中でも北朝鮮が「自ら核を放棄する」と白旗を掲げて投降することを待ち続ける、いわゆる「戦略的忍耐」政策に照準を合わせてきた。 31日(現地時間)、米中首脳会談が終われば同様の記事を書くことになるかもしれない。

 それでも、オバマ大統領のキューバ訪問演説を聞きながら、南北が自ら「機会の窓」を閉めてしまったのではないかと、さらに多く、また深刻に、考えるようになった。彼はキューバ国民に生中継された演説で「(米国が)特定の国に変化を強いることはできない」と述べ、「冷戦時代に考案された孤立政策は、21世紀には意味がない」と強調した。このような哲学がなければ、キューバとの国交正常化は実現できなかったはずだからこそ、オバマ大統領の言葉には真心が込められていたと信じたい。

 実際、オバマ政権の第1期と第2期における対外政策は、明確に区別される。オバマ大統領は、2008年の金融危機を収拾するのに、執権第1期の4年間を費やした。対外政策の指揮棒は当時のヒラリー・クリントン国務長官に渡された。 2013年から始まった執権第2期では、オバマ大統領が直接対外政策を取りまとめた。イランとの核交渉の妥結、キューバとの関係正常化は共に第2期に行われた。残念ながら、その期間中、南北の指導者たちは妥協を知らない一方通行の歩みを見せていた。

 オバマ政権が腕力を行使しなかったわけではない。しかし、最近の米国の歴代大統領の中で、オバマ大統領ほど腕力に頼らなかった大統領も珍しいだろう。たとえば、中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)に韓国が加盟するかどうか議論になった時、米国は最初は反対した。しかし、韓国が掲げた「参加を通じた中国牽制」という名分に対し、「銀行システムの透明性の確保に努めてほしい」と付け加えることで、加盟を“承認”した。

 昨年9月、朴槿恵(パククネ)大統領が中国戦勝節記念式典への出席を進めた際にも、ワシントンのシンクタンクは非難めいた視線を送ったが、米政府は朴大統領の出席を強く引き止めたりはしなかった。韓国政府は、北朝鮮問題と関連し、中国の協力を引き出すという名分を米国が受け入れたと説明したが、米政府がこれを信じたとは思えない。ただ行くと言うから、不愉快であっても了解したのだ。

 このように、名分さえあれば対米外交の空間が生まれ、腕力も弱まった。国際世論を巻き込めば米国も大きく圧迫してこなかった。腕力まかせで韓国を追い込んでいたジョージ・ブッシュ政権時代に比べれば、本当に楽な外交パートナーだったといえる。

イ・ヨンイン・ワシントン特派員//ハンギョレ新聞社
 米国が中国牽制という「アジア再均衡」政策を貫くために、北朝鮮の脅威を将棋の駒として活用したのではないかという反論があるかもしれない。しかし、南北関係が最低限の安定の流れを保持していたなら、ある程度は防御できたと思う。さらに、アジア再均衡政策は、政策の初期には関与と牽制の間で流動性がかなり強く、私たち(韓国)にも何かできる余地があった。開かれた外交空間を活用できなかったのは、北朝鮮崩壊の神話に頼り、朝米間の仲介者の役割を放棄した朴槿恵政権と、一騎打ちの交渉で勝負を早期に決めようと焦っていた金正恩(キムジョンウン)政権の責任が大きい。

 オバマ大統領の残りの数カ月の任期中に朝米間の接触があるかもしれない。しかし、信頼のきっかけを見つけ、深めていくには、残された時間は短すぎる。これは断言できるが、有力な米国大統領選候補として挙げられている民主党のヒラリー・クリントン元国務長官と、共和党側のドナルド・トランプ氏とテッド・クルーズ氏の中から誰が大統領になっても、これほどの機会の窓は開かないだろう。だからこそ、無駄にしてしまった時間が惜しい。今からでも南北が心を入れ替えるべきだ。

イ・ヨンイン/ワシントン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-03-31 19:40

http://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/737743.html訳H.J

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