外交的解決で意志表示
北朝鮮を会談場に導くための制裁実行
マーク・リッパート駐韓米国大使は11日、韓国外交部の記者団懇談会で米国の対北朝鮮政策について「非核化が最優先順位であり、平和体制に関連して全く立場は変わっていない」と改めて強調した。 同時に「米国は依然として外交的解決の意志を持っている」と繰り返し力説した。
3日前に駐韓米国大使館が「非核化最優先原則」と共に「韓米両国の対応方向は明確に一致」しているとして出した「マスコミ声明」と同じ脈略だが、声明では言及されなかった「外交的解決」に対する意志を表明した。
米国務省のジョン・ケリー長官とジョン・カービー国務省報道官が相次いで、中国の提案した「北朝鮮非核化と平和協定並行議論」の可能性を排除しなかったため、米国政府の本心を巡り憶測が飛び交う中で出された立場表明だった。
リッパート大使はまず、現在米国をはじめとする国際社会が強力で前例のない北朝鮮制裁実行のために努力していることを明確にした。 だが、これに先立ちケリー国務長官も明らかにしたように「制裁自体が目的ではなく手段」として「目的は原則ある外交を通した朝鮮半島の非核化」と規定した。
さらに米国政府は「中国と継続的に対話」しており「6カ国協議の再開を議論するだろう」としつつ、「当面直ちに重要なことは、北朝鮮を会談のテーブルにつかせる強力な制裁を実行」することだと述べた。 それと共に「北朝鮮が会談のテーブルに戻るという意志を見せるまで、現在の戦略を推進する」と付け加えた。 「安保理決議などは北朝鮮政権の崩壊を念頭に置いた制裁ではないのか」という質問には「我々の政策は(北朝鮮の)政権交替を念頭に置いていない」と断言した。
リッパート大使は北朝鮮の核問題の外交的解決と関連して「交渉と対話をするかを決定するのは金正恩(キムジョンウン)指導部にかかっている」と釘を刺した。 さらにバラク・オバマ政権がイラン、キューバ、ミャンマーなどとの複雑な問題を外交を通して解決した事例を挙げ、「北朝鮮指導部にはよく考えてみてほしい」と注文した。
キム・ホンギュン外交部朝鮮半島平和交渉本部長が訪米する際に「徹底した制裁履行に集中すべきで、対話を論じるのは時期尚早」と制裁を強調したこととは微妙な温度差が伺える。