国連安全保障理事会(安保理)が6日(現地時間)、北朝鮮の4回目の核実験に対応して「追加重大措置」を盛り込んだ新しい安保理決議案を直ちに推進すると明らかにしたことで、制裁の内容とレベルが注目される。ただし、まだ安保理で議論が始まった段階であるため、具体的な内容を予想するのは難しそうだ。
大きな枠組みからすると、既存の決意に記載されている制裁の内容よりも、さらに強力なものになる可能性が極めて高い。北朝鮮の3回にわたる核実験と長距離ロケット発射に対応した安保理決議は、合わせて4回出された。内容別にみると、核・ミサイル開発に利用される恐れがある材料の移動を防ぐ禁輸措置▽貨物の検索▽資金の流動を遮断する金融制裁▽この行為を違反する個人・企業(団体)への制裁など、大きく分けて4つだ。したがって、既存の制裁カテゴリの中で新しい内容を発掘して追加するか、全く新しい制裁カテゴリを作ってレベルを高める方向で安保理の議論が行われるものと予想される。
しかし、イランに適用した強力な金融制裁だった「セカンダリーボイコット」は、新しい決議案に含まれていないことが分かった。セカンダリーボイコットは、北朝鮮の企業や団体、個人と取引する第3国の企業に、米国の金融機関との取引を禁止させるものだ。イランの場合には西欧の企業との石油取引などが多く、セカンダリーボイコットが効果を発揮したが、北朝鮮は経済構造が外部と断絶されており、効果あげるのが難しいからだ。何よりも北朝鮮と主に取引する中国企業が相当な打撃を受けるかもしれないことから、中国政府が同意する可能性はほとんどない。
イラン制裁の際に使った「セカンダリーボイコット」
北朝鮮と取引する中国企業に打撃を与える可能性も
中国政府、同意しない見込み
航空機検索も中国の協力がなければ不可能
中国、制裁に参加しながらレベルの調節を図る見込み
また、北朝鮮の核実験のたびに取り上げられる「航空機検索」も、中国との路線が事実上ほぼすべてなので、中国の協力なしには不可能だ。中国が自国の主権を侵害する余地がある航空機検索に応じる可能性は、ほとんどないものと見られる。
結局、新しい決議案に追加されると見られる制裁の内容や実際の移行に伴う制裁の効果は、中国の出方次第というのが大方の分析だ。専門家たちは、北朝鮮が、核を容認しないという中国の原則を無視し、核実験の事前通知すら行わないなど、以前の核実験よりも衝撃が大きかっただけに、中国がより積極的に対北朝鮮制裁に参加するものと予想している。人民大学の成暁河教授は、「中国が以前より強化される国連安保理の制裁に賛同し、より厳しく実行するだろう」と述べた。しかし、前例からして、実際の安保理で制裁論議が本格化すれば、中国政府が、北朝鮮を過度に刺激するかもしれない制裁に対しては、レベルを調節するように求める可能性も高い。
また、人民大学の金燦栄教授が7日、環球時報で 「北朝鮮制裁は安保理の枠組みの中で行われなければならない」と指摘したように、専門家たちは、中国が安保理の枠組みを脱し、独自の対北朝鮮制裁を行う可能性は低いとの見通しを示した。中国は「強力な制裁→北朝鮮体制の崩壊→東北3省地域への大規模な北朝鮮難民の流入、混乱→国境における米軍との直接的な対置」につながるシナリオを最も恐れているからだ。
一方、安倍晋三首相は7日、参議院本会議に出席し、日本独自の制裁を検討すると明らかにしており、2014年5月の朝日ストックホルム合意を契機に行った、人の往来(総連幹部の訪朝目的の出国)制限の緩和▽資金の往来(送金基準の緩和)の緩和などの措置が事実上白紙化されるものと見られる。
韓国語原文入力: 2016-01-07 19:21