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慰安婦問題で韓日局長級協議、双方が場外で“国内向け”舌戦

登録:2015-11-12 00:24 修正:2015-11-12 06:00
日本外務省の石兼公博アジア大洋州局長が11日午前、日本軍慰安婦被害者の問題を協議するため、ソウル世宗路外交部庁舎で入っている=キム・ミョンジン記者//ハンギョレ新聞社

 「(日本軍)慰安婦(被害者)の問題は、1965年の韓日国交正常化の際に合意に含まれていない立場に立って、今日の局長級協議を進めるつもりだ」。「(2日の韓日)首脳会談が終わってから(日本側が)内容を歪曲してまでマスコミに公開したのは、外交の正道を外れる行動だ」

 イム・ソンナム外交部第1次官が11日朝7時30分のラジオ番組に出演して話した内容だ。今月2日に行われた朴槿恵(パク・クネ)大統領と安倍晋三首相との首脳会談後、慰安婦被害者の問題を取り上げる最初の当局間協議である第10回局長級協議が、ソウルで開かれる約2時間前のことだ。今回の協議では、政府が慰安婦被害者問題と関連した「日本政府の法的責任」を提起し、日本政府の首脳会談後の“情報操作”に強力な遺憾を表明すると公言したのだ。

ある外交部当局者 
「日本、首脳会談の内容を流す矛盾」 
非外交的なレベルの発言も辞さない 

日本の菅官房長官 
「独島・水産物も取り上げた」 
少女像も「遺憾」として撤回を要求

11日昼、ソウル鍾路区中学洞の旧日本大使館前で開かれた第1204回「日本軍慰安婦問題解決のための定期水曜デモ」に参加した人々が持っているプラカードの後ろに毛糸の帽子をかぶった少女像が立っている=イ・ジョンア記者//ハンギョレ新聞社

 イ・サンドク外交部東北アジア局長と石兼公博アジア大洋州局長の協議は約2時間に亘り行われ、首脳会談とは異なり、焼肉をメニューにした昼食会協議につながった。外交部当局者は「首脳会談の合意に基づいて、慰安婦問題の早急な解決のために有益かつ深みのある協議を行った」とし「意見の相違がある部分は、接点を模索するための協議を続けていくことにした」と明らかにした。この当局者は、「傍からは全く動いてないように見えるかもしれないが、少しずつ目標に向かって動いているといってもいいだろう」と付け加えた。意見差を埋めるための実務的協議が行われたことをほのめかしたのだ。ただし、この当局者は、次回の協議を「なるべく早い時期に開催することにした」としながらも、その時期が年内かどうかは確認しなかった。

 問題はその次だ。この当局者は記者団に尋ねられたわけでもないのに「協議で、首脳会談と関連し、不正確で歪曲された報道が相次いで出てくることに対して、日本側に強い遺憾を伝えた」と述べた。この当局者は「日本は2日、両首脳の単独会談内容を外に漏らさないようにしようという内容まで流す矛盾した行動を見せた」とし「首脳間の議論の内容を事実とかけ離れた内容に歪曲してメディアに流す行為は、国際社会に日本外交の素顔をそのまま露わにすること」だと激しく非難した。日本側の行動が「外交の正道を外れた」と指摘した発言は、非外交的なレベルのものだ。この当局者は「首脳会談で慰安婦問題と関連して、日本政府の法的責任が残っているというのが韓国政府の一貫した立場であることを、大統領が明らかにした」と遅れて伝えた。首脳会談直後、いかなる背景説明も断り、慎重を期していた外交部からすると、明らかに変化した態度だが、日本側よりは国内の“リスナー”を念頭に置いた発言に聞こえる。

 日本側も負けてはいなかったがようだ。日本政府のスポークスマンである菅義偉・官房長官は同日、東京で行われた記者会見で、独島関連の問題と産経新聞コラム事件、日本産水産物の輸入規制、強制徴用賠償に関連する裁判などについても議論したと明らかにした。日本側は、駐韓日本大使館前の少女像についても「大使館の前にあるのは遺憾だ」として、遠回しながらも再び撤去を求めたと伝えられた。

 韓日両国政府ともに、国内世論の方により気を使っているような雰囲気からして、慰安婦被害者の問題と関連した協議の前途は険しい道のりになるものと予想される。

キム・ウェヒョン、イ・ジェフン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-11-11 19:34

https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/716991.html 訳H.J

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