登録 : 2015.11.10 01:09 修正 : 2015.11.15 06:40

「ファイブ・アイズ」から「テン・アイズ」へ

//ハンギョレ新聞社
 米国国家安全保障局(NSA)が英語圏5カ国の情報機関連合「ファイブ・アイズ」(Five Eyes)を越え、太平洋諸国との信号情報同盟「太平洋信号情報高位級会談」(SSPAC/SigintSSeniors Pacific)を発足させており、韓国もこれに参加している事実がスノーデン文書で確認された。NSAが主導する太平洋地域諜報活動に韓国が関与している具体的な状況は、これまで知られていなかった。

米、韓国・シンガポール・タイ・インド・フランスとも“連合体” 
太平洋信号情報会談を発足させ、下から支えるパートナーシップを構築 
韓国、オーストラリアがインドネシア盗聴・傍受する際、“一定の役割”果たした可能性も 
NSA文書には「2012年韓国国家情報院長、NSA訪問」

 今年3月にニュージーランドのメディアを通じて初めて公開された「米NSAとニュージーランドの情報協力関係」という題名のスノーデン文書によると、韓国は米国、英国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどのファイブ・アイズと、シンガポール、タイ、インド、フランスなどアジア諸国がメンバーであるSSPACの一員だ。ニュージーランドのメディアはこれを「テン・アイズ」(Ten Eyes)と呼んだ。訳すと「太平洋の信号情報高位級会談」程度の意味になる。ヨーロッパ国家のフランスが含まれており、アジアの主要国である中国と日本は入っていない。複数の外交安保専門家の説明を総合すると、フランスは太平洋地域にニューカレドニアなど、フランス領を持っており、中国は米国の情報収集対象国であるという点が考慮されたものと推定される。日本は、米国とは密接な関係にあるが、第2次世界大戦の際に太平洋戦争を起こした前歴などの影響で、除外されたものと見られる。

 文書を詳しく分析してみると、米国は太平洋地域からの信号情報活動同盟を構築し、韓国はこのような秩序を下から支えるパートナーの役割を果たしているものと推定される。「太平洋の信号情報高位級会談」の目的は、太平洋地域に利害関係を持つ国の情報機関の高官が会同し、信号情報を交換したり、動向を把握する活動にあるものと見られる。文書によると、ニュージーランドの通信保安局(GCSB)は、この情報交流会の会員で、最近2年間議長国の役割を果たしており、「前例のない高いレベルの情報交換を導き出した」と評した。米国とニュージーランドが主軸であるが、この会議をファイブ・アイズになぞらえ「テン・アイズ」と呼んでもおかしくない。文書には、ニュージーランドがSSPACと「SSEUR」(ヨーロッパ信号情報高位級会談)の関係を強固にしたという表現も出てくる。

 ムン・ジョンイン延世大学教授はハンギョレとの電話インタビューで、 「テン・アイズは太平洋に共同の利益がある10カ国が集まったが、情報を活発に交流していたのかは明らかではない」とし「高位級会談だけに暗号情報の収集と分析に伴う問題点や動向を把握する程度だった可能性もある」と述べた。

 韓国が太平洋地域でファイブ・アイズの国と協力して“一定の役割”を果たしてきた事実は、予期せぬ出来事で再確認された。 2011年、韓国系オーストラリア人の公務員であるキム氏が、駐オーストラリア韓国大使館の顧問身分を装った国家情報院職員と接触し、それを報告しなかった容疑で裁判を受けた。 ハンギョレがフリージャーナリストのフィリップ・ドルリン氏から提供を受けたキム氏のオーストラリアの最高裁判所の判決文によると、オーストラリアの国家情報院とされる安全保障情報局(ASIO)局長が2012年10月の最高裁審理の過程で、「オーストラリアの国益と韓国の国益はオーストラリアの安全保障に関連するいくつかの問題で一致している」とし「両国は30年以上の交流関係を持続しており、相互の利益のために協力している」と述べた。

 2013年11月には、韓国が、オーストラリアがインドネシアを盗聴・傍受するのに協力したという疑惑が持ち上がった。当時、インドネシア政府は、現地韓国大使まで召喚するなど、疑惑の追及に積極的な態度を見せた。当時召喚されたキム・ヨンソン元駐インドネシア大使はハンギョレとの電話インタビューで、「韓国ではなく、シンガポールがそのような役割を果たしていたようだ。韓国は記事には言及されたが、(盗聴や傍受への協力は)事実ではないので、事実通り釈明した」と述べた。

 一方、スノーデン文書をグレン・グリーンウォルド氏などと共に取材した英紙ガーディアンのルーク・ハーディング記者は昨年3月に出版した本『スノーデンファイルー地球上で元も追われている男の真実』で韓国国家情報院長が2012年に米国国家安全保障局ハワイ支部を訪問した事実を明らかにした。ハーディング氏は、この本の中で、「国家安全保障局は、この地域の他の同盟国と共に信号情報分析業務を進めた。ここ(NSAハワイ支部)の地下団地を訪れた訪問客の中には、新しく就任した韓国の国家情報院長、タイの国家保安局次期局長、そして東京から派遣された使節団もいた」と暴露した。ハーディング氏はハンギョレと交わした電子メールで、「スノーデン文書の中にNSAの内部ニュースレターに出てきた内容」だと説明した。国家情報院はハンギョレの質疑に 「ノーコメント」と答えた。

チェ ・ヒョンジュン、コ・ナム記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-11-09 21:35

http://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/716700.html訳H.J

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