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高速増殖炉「もんじゅ」廃炉の危機、日本の核燃料政策は事実上破綻

登録:2015-11-05 23:29 修正:2015-11-06 08:05
「安全に運営する主体を明示せよ」 
原子力規制委、文部省に勧告 
廃炉が決まればプルトニウム保有の名分喪失 
中国「日本は1350発の核弾頭製造可能」 
国連でプルトニウム保有を猛非難
2011年7月2日、日本 福井県 敦賀市で高速増殖炉‘もんじゅ’のナトリウム冷却高速炉を背にして人々がのんびり釣りをしている。 敦賀/ロイターニュース1

日本の「核燃料サイクル」政策が事実上破綻を来した。日本はこれまでこの政策を口実に多量のプルトニウム保有を正当化してきたので、今後この問題にどう対処するかに関心が集まっている。

 日本の原子力規制委員会(規制委)は4日、定例会議を開いて日本の核燃料サイクル政策の核心である高速増殖炉「もんじゅ」を安全に運営する能力を持つ新しい運営主体を見つけるなど、安全管理を根本的に改善することを担当部署である文部科学省に勧告した。 現在、もんじゅを運営・管理している「日本原子力研究開発機構」は2012年11月、原子炉に使われた約1万個の機器の安全点検不備など、もんじゅの安全管理に少なからず弱点を見せてきた。 日本のマスコミは文部省が6カ月以内に新しい運営主体を明示できなければ、もんじゅの廃炉を含む根本的な政策修正を迫られることになると予想した。 もんじゅが廃炉になれば、現在青森県六カ所村で完工を控えている六カ所再処理工場の稼動にも影響が及ぶことになる。

 この日の会議で出席委員らは「(日本原子力研究開発機構は)もんじゅが停止中であっても安全管理能力が欠如している。 運転を任せてはならない」という結論で一致したと朝日新聞が伝えた。 実際、日本の有力紙である朝日新聞、毎日新聞、日本経済新聞が事実上もんじゅの廃炉を求める社説を出すなど、この問題に対する日本社会の判断はすでに下された状態だ。

 問題はこの原子炉が持っている微妙な安保政策上の意味だ。 日本は1960年代末から今まで使用済核燃料の再処理と高速増殖炉建設を柱とする核燃料サイクル政策を維持してきた。 日本は韓国とは異なり米国から使用済核燃料を再処理して核兵器の原料になるプルトニウムを抽出できる“再処理権限”を認められている。 許容の名分はプルトニウムを原料として発電できる高速増殖炉を開発するということだった。

 日本はそのために1994年にもんじゅを完工した。 しかし、もんじゅが稼動する度に大小の事故を起こし、20年以上にわたり10兆円を注ぎ込んでも僅か1キロワット時の電力も生産できずにいる。高速増殖炉は一般原子炉とは異なり冷却材として水の代わりにナトリウムを使うが、ナトリウムは水や空気に接触すれば容易に爆発するため安全管理が容易ではない。 日本がもんじゅ計画を放棄すれば、2014年末現在で47.8トン(日本国内保有量は10.8トン)にも及ぶ莫大なプルトニウム保有の理由がなくなる。

 中国は最近国連で、日本のプルトニウム保有を正面から問題視するなど外交上の争点化する意思を明確にした。 先月20日、中国は国連第1委員会で「日本はプルトニウムを大量保有している。 1350発の核弾頭製造に十分な量だ。 一部の政治勢力は核武装論を主張している」と非難した。 日本政府が核燃料サイクル政策の事実上の破綻を熟知しながら、それを認められない理由だ。

東京/キル・ユンヒョン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/716171.html 韓国語原文入力:2015-11-05 19:52
訳J.S(1457字)

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