日本の三菱マテリアルが23日、第2次大戦当時この会社に強制労働を強いられた中国人被害者に謝罪と補償をすることで合意した。これは中国との関係改善を推進する安倍政権の意向を反映したものと見られる。
安倍政権、対中関係改善推進に
友好ムード造成次元で補償に合意
「法的に異なる」韓国人補償は拒否
「韓日協定で決着済」立場固守
日本の市民団体である「強制連行・企業責任追及裁判全国ネットワーク」の矢野秀樹事務局長は24日、ハンギョレとの通話で「日本で企業がこういう決定を下せば、一斉に右翼の攻撃を受ける。 だから三菱マテリアルは今回の問題と関連して自民党などと“根回し”(事前調整)をしたと見られる」と話した。菅義偉官房長官は24日の定例記者会見で、「中国の民間関係者と日本企業の間の民事訴訟に対して政府がコメントすることは避けたい。過去の戦争の日中間の請求権問題は、1972年の日中共同声明の発表後には存在しないというのが政府の一貫した立場だ」と述べた。
三菱マテリアルは最近、強制労働に動員した米国人と中国人に謝罪・補償する意向を明らかにしたが、韓国は「法的に異なる」と主張して、韓国人被害者に対する謝罪・賠償は拒否している。 日本政府は植民支配下にあった朝鮮人強制動員の場合、1938年に導入された国家総動員法によってなされた適法行為という主張を固守している。 これを根拠に先月、軍艦島などをユネスコ世界文化遺産に登載する過程でも朝鮮人強制労働の“強制性”については認めながらも、国際労働機構(ILO)条約上不法となる“強制労働”ではなかったと強弁した。これに対し、中国人強制労働被害者は当時日本軍に捕虜となった国民党兵士たちなので法的に異なるというのが日本側の主張だ。
これに先立って日本の裁判所は、三菱重工業の名古屋航空機製作所で労役した韓国人勤労挺身隊被害者8人が出した訴訟に対して2008年11月に原告敗訴判決を下した。 現在、韓国人強制徴用被害者が三菱重工業、不二越、新日本製鐵などを相手に出した11件の賠償請求訴訟が韓国の裁判所で進行中だ。
外交筋では、日本が中国と韓国を分けて対応する外交的策略を使っているという分析も出ている。ある外交消息筋は「基本的に日本は第2次大戦当時の韓国と中国の法的地位は明確に違うと主張し、中国とは関係改善を試み、韓国は差し置こうとしているようだ」と話した。 彼は「日本としては韓国との外交軋轢の核心は慰安婦問題であり、強制徴用問題は副次的なことと見ている」として、「強制徴用問題が解決されても、韓日関係が根本的に解消されるわけではないという認識があるため、日本の態度は非常に消極的だ」と話した。
8月の安倍談話を鋭意注視している中国と西側世界に対しては先制的に友好的世論作りの効果も試みたようだ。三菱マテリアルは19日、この会社で強制労働させられた米軍戦争捕虜に公式謝罪するとし、「英国、オランダ、オーストラリアの戦争捕虜に対しても同じように謝りたい」と明らかにした。
このため一部では、8月に出てくる安倍談話が「植民地支配と侵略に関する謝罪と反省」という韓国側の要求を無視して、日帝が中国や米国、英国など西側連合国を対象に起こした戦争に関する謝罪に焦点を合わせる可能性が高いという分析も出ている。 韓国のある日本専門家は「日本企業の外国人強制労働被害者に対する補償と謝罪は、おそらく中国がマジノ線だろう」と話した。