中谷元・日本防衛相が、米国が北朝鮮の弾道ミサイル攻撃を受ける場合、日本が北朝鮮のミサイル基地に対する報復攻撃を敢行することもありうると明らかにした。
中谷防衛相は17日に放送されたフジテレビの朝の討論番組に出演し、渡辺周・民主党議員から「日本が(直接攻撃を受けなくても)攻撃を受けたことと同じ(集団的自衛権を行使できる)存立危機事態というのは何か」という質問を受けた。 中谷防衛相は「対処しなければ日本が武力攻撃を受けたと同じように国民に本当に深刻な被害を及ぼす事態だ。 座して死を待つのではなく、日本もそれなりの対応をすべきだと見る」と答えた。
渡辺議員が再び「例えば北朝鮮が米国に対するミサイル発射準備をする。米国が『このままでは米国が北朝鮮からミサイル攻撃を受ける』と言ったなら、日本は米国と共に北朝鮮のミサイル基地に対してミサイル発射前に攻撃する方案も想定しているのか」と尋ねた。 中谷防衛相は「(集団的自衛権の行使は)相手国が武力攻撃を受けることが前提だ。 対応しなければ日本が攻撃を受けるのと同じような大きな被害があるかを判断し対応を決めることになる」と答えた。 米国が攻撃を受ける前に日本が先に北朝鮮のミサイル基地を打撃することはないだろうが、事態が起きれば日本が米国と共に北朝鮮のミサイル基地を打撃するなどの対応もする可能性があることを示唆した。毎日新聞も「北朝鮮が米国に対してミサイル攻撃をした後、2回目のミサイルを撃つ準備がなされるならば、日本が集団的自衛権を活用して米国と共に北朝鮮の基地を攻撃することができるという見解を明らかにした」と解釈される。
中谷防衛相の今回の発言は、ただでさえ混乱している北東アジア情勢に論議と波紋を加える展望だ。過去1年半の米日防衛協力指針改定の過程や日本政府が明らかにした集団的自衛権の具体的行使事例などでは、北朝鮮の原点基地を打撃するという内容は一度も議論されたことがないためだ。 しかし、米国が日本の集団的自衛権行使を“歓迎する”立場を初めて明らかにした昨年10月の米日安全保障協議委員会の会議で、日本は北朝鮮に対する“敵基地打撃能力”を備えるという案を提示したことがある。