本文に移動

米軍高官「朝鮮半島THAAD配備の可能性を検討している」

登録:2015-04-17 21:49 修正:2016-02-23 07:26
 太平洋軍司令官、在韓米軍司令官
 上院軍事委員会聴聞会で言及
 韓米当局の公式の立場とは異なる状況
 公論化の意図...両国、水面下の協議中の可能性
サミュエル・ロックリア米太平洋軍司令官 //ハンギョレ新聞社

 韓国と米国政府が高高度ミサイル迎撃システム(THAAD)の朝鮮半島配備問題を公式に協議していないと明らかにしたのに、米軍の高位指揮官らが相次いでこれとは異なる発言をして、波紋が広がっている。

 サミュエル・ロックリア米太平洋軍司令官は16日(現地時間)、上院軍事委員会の公聴会に出席し、「私たちはすでにTHAADが配備されたグアムのほか、朝鮮半島にTHAADの砲隊を配備する可能性を議論している」と明らかにした。

 この聴聞会に一緒に出席した カーティス・スカパロッティ在韓米軍司令官も「中国の反対を押し切って、韓国と米国がTHAAD配備を強行するのか」というデップ・フィッシャー共和党議員の質問に、「現在決定を下すためのプロセスが進行中」だと述べた。彼は、自分は軍事的側面からこの問題について意見を述べられるだけだが、「韓国と米国両国での政治的、戦略的な側面を考慮してTHAADの朝鮮半島配備が及ぼす影響を、現在検討している」と述べた。

 このような見解は、わずか一週間前の10日、韓米国防長官たちが会談後の記者会見で明らかにした内容とも異なるものである。当時アシュトン・カーター米国防長官は「THAADは現在、米国での生産段階にあるプログラム」だとし「これからどこに配備するかは、まだ決定の段階に入っていない」と明らかにした。ハン・ミング国防長官も「在韓米軍のTHAAD配備と関連して、米国政府はまだいかなる決定もしていないし、THAAD配置と関連して両国政府の間ではいかなる協議もなかった」と述べた。

 米軍司令官らが、このように韓米政府間の公式の立場と異なる見解を明らかにすることには、いくつかの理由があるものと解釈される。

 第一に、この問題を公論化することにより、THAADの朝鮮半島配備を圧迫しようとする意図があるものと見られる。米軍は、数年前からTHAADの朝鮮半島配備を推進してきたが、中国の反発とこれを意識した韓国の動きにより、進展が見られなかったことに不満を持っていると知られている。特に、米国は議会の影響力が大きいだけに、聴聞会を機会にして議員たちを後援勢力に引き込もうとする意図もあったものと見られる。政府の高位層が特定の事案について同意していないか、または決定を先送り場合、実務レベルで議会の力を利用して政権の高位層を圧迫する場合も少なくない。

 第二に、韓米当局が協議を行っていないという公式の立場とは異なり、実際には水面下で議論を進めている可能性もある。世論の動向と中国の反発を意識して公式化していないだけで、実務レベルでは検討が進められている可能性を排除できない。昇進と予算の問題で議員の信頼を得なければなら米軍司令官としては、聴聞会場で嘘をついたり、言い逃れたりするのは事実上困難である。ワシントンのあるシンクタンクの消息筋は「朴槿恵(パク・クネ)大統領の訪米を控えている時点なので、韓国政府としては、今、このように議論になっている問題を議題にあげるのは難しいと思われる」とし「今年の下半期頃から本格的な議論が行われる可能性がある」と指摘した。

米国の対韓半島ミサイル防衛体系 //ハンギョレ新聞社

ワシントン/パク・ヒョン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-04-17 19:42

https://www.hani.co.kr/arti/international/america/687366.html  訳H.J

関連記事