米国防部が米軍首脳部の要請によりミサイル防御(MD)システムに対する大々的な再検討作業に着手し、その結果が注目される。
ロイターと国防専門サイト「ブレーキング・ディフェンス」は、米国防総省がレイモンド・オディエルノ陸軍参謀総長とジョナサン・グリーナート海軍参謀総長による現行ミサイル防御システムに対する再評価要求を受け入れ、最近再検討作業に着手したと報道した。 昨年、二人の参謀総長は現行のミサイル防御システムを検討した後に国防予算圧迫と全世界的な威嚇増加傾向などを考慮する時、現在のミサイル防御戦略が持続可能ではないと指摘した。
今年の再検討対象には地域ミサイル防御問題とパトリオット(PAC)ミサイル防御システムの世界的拡張、そして米軍事力投資の力量などが含まれたとこれらメディアは伝えた。 地域ミサイル防御とは、韓国や日本を含む北東アジアと東ヨーロッパ地域に展開した米国のミサイル防御システムを言う。
特に、韓国はパトリオット-3(PAC-3)ミサイルを今年購入する予定であるのに加え、高高度防衛ミサイル(THAAD)の在韓米軍への配備まで検討されているため、今回の米国防総省による再検討作業がどんな影響を及ぼすか注目される。 米国防総省が再検討した背景には過多な費用の問題があるだけに、THAADを在韓米軍に配備する場合にも費用の分担を韓国に要求する可能性は排除できない。
両参謀総長は昨年11月当時、チャック・ヘーゲル長官に送った共同メモで「現行弾道ミサイル防御政策は健全だが、2017年の国防省国防予算策定を控えてアップデートが必要だ」と進言した。 二人は現在のミサイル防御資産を前線陣地に配置する戦略は、過度に多くの費用が必要とされるので、電波やサイバーのような非活動的技術活用を含め一層包括的なアプローチが必要だと指摘した。 また、米本土および地域ミサイル防御優先課題を解決でき、費用面で一層効率的で持続可能な長期的アプローチを開発することが重要だと強調した。
これに対してヘーゲル長官は先月初め「米国防総省がミサイル防御プログラムと関連した挑戦を解決するための革新的方法を持続的に探求しており、陸海軍参謀総長にこれと関連した積極的な役割を注文した」と明らかにした。
また、米陸軍は最近ミサイル防御関連ブリーフィングで種々の戦闘と軍事訓練、ミサイル防御試験などで航空物体の識別能力が欠如しており、軍人が十分な情報を持たずに主要な決定を下すなどの問題点があらわれたと明らかにした。 その結果、味方に被害をもたらす危険性も提起された。
米武器統制・非拡散センターのフィリップ・コイル主任研究員はブレーキング・ディフェンスに、「ミサイル防御プロジェクトは科学的に信頼に値する目標物識別能力がなければ成功に必要な土台が崩れる」として、米国防総省が徹底的に再検討作業をしなければならないと強調した。