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日本政府外交青書からも「基本的価値を共有する隣国」削除

登録:2015-04-07 23:38 修正:2015-04-08 07:24
 金大中・小渕「パートナーシップ宣言」の精神毀損
 代わりに慰安婦問題の言い訳で埋める
 「竹島は日本固有の領土」も挿入
 政府、駐韓日本大使館総括公使呼んで抗議
日本外務省のホームページで昨年2月に作成された「最近の日韓関係」に関するPDFファイルの3ページ目で、韓国を紹介する従来の文言が「最も重要な隣国」に替えられている 日本外務省のホームページ画面キャプチャー//ハンギョレ新聞社

 日本政府が7日、韓国は「民主主義、基本的人権など、基本的な価値を共有する隣国」という内容を削除し、独島(日本名:竹島)は「わが国固有の領土」という記述を盛り込んだ2015年「外交青書」を閣議決定した。前日の中学校教科書検定結果の発表に続き、韓日関係に悪影響を及ぼすものと見られる。

 日本政府はこの日公開された「外交青書」で韓日関係について、「日本と韓国は、最も重要な隣国同士であり、友好的な日韓関係は、アジア・太平洋地域の平和と安定にとって不可欠である」という基本認識を示した。しかし、今年3月初め、外務省のホームページで韓国と日本は「基本的な価値を共有する隣国」という表現を削除したのに続き、この日の「外交青書」でも関連内容は言及されなかった。独島については、2000年から日本政府が使用してきた「歴史的事実および国際法のいずれから見ても竹島は日本の固有の領土」という表現がそのまま使われた。

 日本が韓国との関係を説明する際に「基本的価値」という表現を使い始めたのは、1998年10月当時、金大中(キム・デジュン)大統領と小渕恵三首相によって「日韓パートナーシップ宣言」が発表されてからである。当時、韓日両国はお互いに戦後50年間成し遂げた成果を評価し、未来志向的な関係を発展させていくことに合意している。したがって、安倍政権が韓日関係で「基本的価値」という表現を削除したのは2000年代以降、両国関係の形成に基本的な土台になったパートナーシップ宣言の精神を毀損したものと評価できる。両国が「21世紀に向けた新たな日韓パートナーシップを共通の目標として構築し、発展させる」ことに合意した17年前の約束は跡形もなく、韓日関係が絶え間ない反目と対立で点綴された20世紀に立ち戻ることになったのである。

 両国間の友好を象徴するフレーズが消えたところは慰安婦問題に対する言い訳で埋められた。日本政府はこれまで韓日関係の主要な懸案として言及してきた慰安婦問題を、今度はアジア・太平洋地域の外交関係を眺望する総論の後に配置した。これによると、「慰安婦問題を含め、先の大戦に係る賠償及び財産権の問題について、日本政府は、サンフランシスコ平和条約など、その他の関連する条約等に従って誠実に対応してきているところあり、これらの条約等の当事国との間では法的に完全に解決済みとの立場である」とし「韓国が引き続き日本に対応を求めてきているが、(日本)政府としては、この問題に対して正しい理解を得られるよう、最大限努力していく」と主張した。

 イ・サンドク外交部東北アジア局長はこの日、金杉憲治駐韓日本大使館総括公使を呼んで再び抗議した。前日、日本政府が独島に対する領有権主張を盛り込んだ中学校教科書検定結果を発表したことについて、チョ・テヨン外交部第1次官が別所浩郎駐韓日本大使を呼んで抗議したことの延長線上の対応だ。ノ・グァンイル外交部報道官も声明を通じて「(日本政府が)独島、日本軍慰安婦被害者の問題などについて、不当な主張を盛り込んだ外交青書を再び閣議決定する歴史に逆行する動きを繰り返した」と批判した。しかし、昨年、政府声明に入った「糾弾」などの強い表現が、今回は見られないことから、政府の対応の強度が弱まったのではないかという指摘も出ている。政府は「韓日が基本的な価値と利益を共有する隣国」という表現が削除されたことと関連し、目立った反応を示さなかった。

東京/キル・ユンヒョン特派員、ソン・ウォンジェ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: 2015-04-07 20:03

https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/685867.html  訳H.J

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