日本の進歩陣営で安倍政権を牽制する最も強力な人物は誰であろうか。 衆議院8議席、参議院11議席など、国会で19議席を確保している日本最大の進歩政党である日本共産党を率いる志位和夫委員長(60)が挙げられる。
20日、東京渋谷区の日本共産党本部で『ハンギョレ』と会った志位委員長は「日韓が気持ちが通じ合う友好関係を構築するためには、日本が過去の侵略戦争と植民支配を誠実に反省しなければならない」として「多くの日本人は集団的自衛権に反対し、河野談話を維持しなければならないという‘健全な平和’を指向しており、安倍政権と日本国民を区別して見て欲しい」と話した。 韓日議員連盟合同総会出席のために24日に訪韓する志位委員長は27日、高麗大学100周年記念館でハンギョレ新聞社と高麗大学アジア問題研究所の共同主催で開かれる講演会「北東アジア平和協力構想を語る」で講演する予定だ。
安倍政権、歴史の流れに逆行しているが
日本国民は「河野談話」など支持
共産党も歴史の逆転を阻むため闘争を展開
友好協力条約締結・侵略反省など
北東アジア平和4原則を提示
-初めて訪韓した2006年9月以後の8年間に韓日関係には多くのことがあった。
「2006年に初めて韓国を訪問して、主な政党代表、(イム・チェジョン)国会議長などと会った。 当時感じたことは、日本と韓国が心を開いた友好関係を作るためには、日本が過去の侵略戦争と植民支配を誠実に反省しなければならないということだった。 しかし、それ以後、日本で歴史問題に対する逆流が発生した。 昨年12月には安倍総理が靖国神社に参拝した。 靖国神社は戦争中に国民を侵略戦争に動員する軍事施設として使われた。 このような施設に行くことは、過去の侵略戦争が正しかったとし、アジア解放戦争だったと美化する神社の立場を支持することになる。 また(慰安婦動員過程の強制性を認めた)河野談話(1993年)を覆ってしまおうとする動きが表面化した。河野談話を発表したのは日本政府であった。 従ってこれを否定しようとする動きが出てくれば、政府が出てきちんと反論しなければならない義務がある。 しかし安倍政権は反論どころか、そのような否定論に事実上迎合する姿を見せている。 安倍総理は「(慰安婦が)性的奴隷というのは根拠のない中傷」と言っているが、軍が設置・管理・運営する慰安所内で慰安婦たちが自身の意思に反して性的行為を強要されたことは動かしがたい事実だ。 国際社会が日本を批判しているのは、まさにこの点であり、ここに慰安婦問題の本質がある」
-安倍政権の安保政策に対しても韓国内では憂慮の声が高い。
「日本はこれまで(軍隊の保有と交戦権を否定した)憲法9条を持つ国家として‘集団的自衛権’の行使を否定してきた。 憲法9条を持っている限り、それはとうてい容認できないというのが一貫した立場だった。 今年創設60周年をむかえる自衛隊は、憲法9条という安全装置を通じて、海外に派兵される時も非戦闘地域だけで活動してきた。 そのためにこれまで1人の外国人も殺さなかったし、自衛隊員の中からたった1人の戦死者も出なかった。しかし安倍政権は集団的自衛権の行使を通じて、戦闘地域にまで行って米軍の活動を支援しようとしている。 外国で‘殺し殺される’国家を作ろうとしているわけだ。 日本共産党はこれを絶対に容認できないという立場を持って、今年7月(集団的自衛権行使を許容した)閣議決定の撤回を要求しているし、これを具体化する米日防衛協力指針の改正を止めるよう闘争を展開している。」
-今回の講演で北東アジア平和のための4原則を提示すると聞いた。
「第一に、北東アジア地域の紛争を平和的に解決するために、この地域全体を合わせた‘友好協力条約’を締結しようということだ。 第2に、6者会談を通した北核問題解決の原則だ。 北朝鮮の周辺国は全て‘北朝鮮の核武装を認めない’ということに同意している。 これを実現するためには、やはり(北核放棄と米国との関係正常化を約束した) 2005年9月の共同声明に戻る他はない。 これを通じて北朝鮮と韓半島の非核化を実現すれば、6者会談が北東アジアの平和と安定の枠組みに発展できることになる。 第三に、この地域の領土問題を外交的に解決するための行動規範の締結だ。 第四に、日本が過去に犯した侵略戦争と植民支配に対して反省することが、この地域の(平和協力にとって)不可欠な土台になるということだ。 特に慰安婦問題の解決が重要だ。 これなくしては(韓日間の)信頼は形成されない。」
-韓国では朝鮮戦争などの影響で共産党に対する悪い先入観がある。 日本共産党はどんな政党なのか。
「資本主義体制下で各国の国民が闘争を通じて自由と民主主義を勝ち取った。 これを発展的に継承して自由と民主主義が花開く社会を目標にしているのが日本共産党だ。 社会を変える変革の方式も、議会で多数議席を得て平和的で民主的な方法で達成しなければならないという立場を守っている。 韓国人は共産党という言葉を聞けば旧ソ連や北朝鮮政権を考えるかもしれない。 しかし私たちは、崩壊したソ連の社会主義は自由を抑圧する全体主義であり他国を侵略する覇権主義だったと批判してきたし、北朝鮮とは1983年のアウンサン廟テロ事件(ラングーン事件)などで関係を断絶した。 日本共産党が自由と民主主義を追求する平和的政党だということを韓国の国民に知って欲しい。」
-最近、韓日関係が一段と悪化している。
「安倍政権の行動と日本国民とを区別して見て欲しい。集団的自衛権と関連する全ての世論調査で、日本国民の50~60%が反対の立場を持っている。 大多数の日本人が健全な平和を指向していて、河野談話や村山談話など戦後日本が作ってきた基本的な到達点を守らなければならないと考えている。 日韓両国の国民が友好・協力の心を持って良い関係を育てていくことを希望する。