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米国人釈放で沈黙を守る北朝鮮、狙いは国連「北朝鮮人権決議案」の修正

登録:2014-11-13 00:14 修正:2014-11-13 06:19
中国が決議案を緩和させる可能性
2年間抑留され電撃的に釈放されたケネス・ベ氏が8日、米国ワシントン州メコード空軍基地に到着して家族と抱き合っている。ロイター/連合ニュース

 北朝鮮は8日に抑留米国人2人を釈放したが、5日も北朝鮮から公式反応がないという異例な状態が続いている。 こうした中で朝米関係の短期的風向計とも言える北朝鮮人権決議案の内容が修正・緩和されるのではという展望が出され関心を集めている。

 北朝鮮が抑留米国人のケネス・ペ(46)とメシュ・ミラー(25)を釈放しておきながら、北朝鮮の公式メディアがこれを直ちに発表しないのは異例なことだ。 今回より先に別の抑留米国人を釈放した時には、釈放当日と翌日に『朝鮮中央通信』などを通して報道した。先月21日にジェフリー・エドワード・ファウルを釈放した時は翌日に報じていたし、昨年12月にメリル・ニューマンを追放形式で釈放した時も釈放当日に報道した。

 北朝鮮の沈黙が長引くにつれ様々な解釈が出ている。 チョン・ソンジャン世宗研究所首席研究委員は「今回の釈放は北朝鮮が人権を前面に掲げた米国の圧迫に屈服した側面がある。北朝鮮当局はこれを住民たちに説明することに負担を感じていると見られる」と話した。反共和国敵対行為で実刑まで宣告した米国人2人を釈放したことについて、説明する名分が弱いということだ。 コ・ユファン東国大学教授は「北朝鮮も米国も釈放自体を目的としてはいないようだ」として「釈放の事実を詳細に報道すれば、論議を招きかねず、関係改善カードとしての価値を失う懸念があるため当分は言及しないように見える」と話した。

 こうした中で、北朝鮮の人権状況を国際刑事裁判所(ICC)に付託する内容の国連総会決議案が、早ければ来週にも人権担当第3委員会で採択される見込みだ。 国連のある消息筋は「ヨーロッパ連合(EU)と米国、日本など50の共同提案国が第3委員会に上程した北朝鮮人権決議案が、17~26日中に委員会で採択されると予想する」として「18日になる可能性が高い」と話した。

 しかし、決議案の内容のうち北朝鮮が反発している一部の内容を除いたり直した修正案が提出される可能性も排除できないという。 北朝鮮が抑留米国人を釈放したのは、国連人権決議案の採択と関連があるという観測が少なくない。 また、抑留米国人の釈放に中国が相当な役割を果したともいう。 このような点から推し量ってみると、決議案の修正に政治的負担を感じる米国に代わって、中国が北朝鮮人権決議案の修正を主導することもありうる。ロバート キング米国務省北朝鮮人権特使は12日、ソウルで統一部・外交部当局者に会った後「ヨーロッパ連合が用意した国連人権決議案草案を支持してきたし、今後もその文案を支持する」として、このような観測に一線を画した。

今年4月に北朝鮮に抑留され電撃的に釈放されたマシュー・トッド・ミラーが8日、米国ワシントン州メコード空軍基地に到着して家族と抱き合っている。ロイター/連合ニュース

 チェ・ヒョンジュン、キム・ウェヒョン記者、ワシントン/パク・ヒョン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/664249.html 韓国語原文入力:2014/11/12 22:03
訳J.S(1330字)

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