北朝鮮がバラク・オバマ米国大統領のアジア歴訪を翌日に控えて、ケネス・ペ氏(46)など抑留中の米国人2人を8日に電撃的に釈放した。ジェームズ・クラッパー米国家情報局(DNI)局長は、オバマ大統領の特使として7日に北朝鮮を訪問し、一泊した後に抑留者を連れて出国した。 クラッパー局長の訪北は、2000年のマデレーン・オルブライト国務長官の訪北以後、現職官吏としては最高位級だ。
オバマ大統領は8日、ある行事で記者たちに「今日は二人の抑留者とその家族にとって非常に良い日だ。 彼らの安全な帰還に感謝する」と話した。 米国務部も8日声明で「米国はケネス・ペとマシュー・ミラー(25)の釈放を歓迎する」と発表した。
ペ氏は2年ぶり、ミラー氏は7か月ぶりに解放され、故国に戻ることになった。 2人は8日午前に平壌を発ち、米国領グアムの空軍基地に到着し、この日夜遅くにワシントン州の空軍基地に到着すると発表された。
ワシントン外交消息筋の話を総合すると、北朝鮮は今週初め米国側に抑留者の釈放を議論するために長官級の特使を送ることを突然要請した。これに対しオバマ大統領は苦心の末にクラッパー局長を選択し、北朝鮮がこれを受け入れて釈放交渉が急流に乗ったという。
クラッパー局長はオバマ大統領の手紙を携えて行ったと伝えられた。この手紙の内容は明らかでないが、短く簡潔なものだったと米国のマスコミは伝えた。 クラッパー局長は今回の訪北で金正恩労働党第1書記には会えなかったという。 ただし一泊したことから北朝鮮の高位級人士とは会ったものと観測される。
クラッパー局長は中央情報局(CIA)、国防情報局(DIA)、国家安保局(NSA)、連邦捜査局(FBI)など16の情報機関を総括指揮し、オバマ大統領に毎朝情報報告を行う人物だ。 彼は北朝鮮の核・ミサイル開発プログラムと関連した情報はもちろん、北朝鮮情勢全般に関し最終判断をする人物でもある。そのために今回の彼の北朝鮮訪問が朝米関係にどのような影響を及ぼすかに外交筋は注目している。
しかし、米国行政府側は、今回の交渉は抑留者の釈放に限定されたものであり、核問題とは関連がないと明らかにしている。 ある官僚は『CNN』とのインタビューで「クラッパー局長が北朝鮮の話を聞くために北朝鮮を訪ねたが、核問題に対する議論はなかった」と話した。
ペ氏は2012年11月3日に北朝鮮に入り抑留され、昨年4月30日に15年の労働教化刑を宣告された。今年4月10日に北朝鮮に入国したミラー氏は9月14日に6年の労働教化刑を宣告された。 二人は“反共和国敵対犯罪行為”という容疑を受けた。
これに先立って北朝鮮は、先月4月29日に北朝鮮に入り抑留されたまた別の米国人ジェフリー・ファール氏(56)を先月21日に釈放した。 これで北朝鮮に抑留された米国人3人は全員自由の身になった。