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北朝鮮の米国人抑留者解放を機に動き出す北東アジア情勢 (2)

6か国協議首席代表のファン・ジュングッ外交部韓半島平和交渉本部長が9日午前(現地時間)、米国ワシントンの国務省庁舎で米国の6か国協議首席代表のグリーン・デービス国務省対北朝鮮政策特別代表に会い挨拶をしている。ワシントン・連合ニュース

韓米6か国首席代表がワシントンで会談
北朝鮮に「離散家族再会・米国人釈放」を求める

北朝鮮核問題担当のサイラー特使も
「抑留者問題が韓米関係の障害」

キム・グァンジン安保室長、いずれ訪米して外交・安保を議論
韓半島情勢を睨んだ試金石に

しかし、まだ最初のボタンもしめていない朝米関係に楽観的な見込みをするのは早すぎるという指摘も少なくない。なにより朝米それぞれの計算があまりに違う。北朝鮮は抑留者釈放の見返りに条件なしの6か国協議再開などを要求するのが明白だが、米国は北朝鮮核問題に対しては相変わらず頑固な立場だ。ソウル大学統一平和研究院のチャン・ヨンソク専任研究員は、「北朝鮮は人道問題で米国の態度をいかに変えられるか確信がなく、この先どれほどの進展があるか疑わしい」とみている。北朝鮮が自国に有利に時間を使えると考え、協議に消極的になるかもしれないというのだ。

 こうした脈略からカン・ソクチュ北朝鮮労働党国際担当書記が今月6日からドイツ、ベルギーなどヨーロッパ4か国を歴訪中であるのも、北朝鮮の対外関係の多様化戦略なのだろうが、朝米関係と南北関係に集中してきた今までの外交路線から抜け出そうとしているという解釈もされる。実際に、北朝鮮は対内外的には南北関係改善が必要だと強調しておきながら、先月11日の南側の第2回高位級接触の提案には公式な答えをまだ出していない。

さらに、米国政府が陥った容易ならざる国際情勢も朝米接近を現実的に難しくしていると指摘される。イ・ヘジョン中央大学教授(国際関係学)は「オバマ政権がイラク戦争に再び足を踏み入れて対テロ戦争の論理が復活すれば、北朝鮮を“悪の枢軸”と名指しした過去のブッシュ政権の時の姿に逆戻りしないという保障はない」と指摘した。

 14日に予想されるキム・グァンジン青瓦台国家安保室長の米国訪問も、韓半島の下半期情勢を占うリトマス紙になるかもしれない。キム室長は17日までワシントンに留まり、米国側のカウンターパートであるホワイトハウスのスーザン・ライス国家安保補佐官など外交・安保分野の高官および専門家たちと相次いで会うと伝えられた。キム室長は北朝鮮核問題と中国および日本との関係、韓米同盟問題などを包括的に論議するものとみられる。

 特に、米国の高高度ミサイル防御体系(サード)を韓国に配置する方向で韓米間の意見が集約される場合、北朝鮮と中国の強い反発で米中、韓中、南北、朝米など東北アジア情勢が全般的に揺れ動く可能性も排除できない。

 一方、11日にソウルでは韓中日外交当局次官補級の官僚が参加する高位級会議(SOM)が開かれ、3国間の葛藤解消を探る迂回的な折衝が始まる。2007年以降、毎年開催されてきた韓中日高位級会議は3国首脳会談を準備する実務会談の性格を帯びている。ただ、最近続いている日本の右傾化に対する韓中の反発など、歴史および領有権葛藤のため3国首脳会談は当分難しいと展望される。3国間の会合そのものに意味がある外交的行為となる。

キム・ウェヒョン ソク・ジンファン記者、ワシントン 東京/パク・ヒョン キル・ユンヒョン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2014.09.10 22:0

https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/654698.html 訳Y.B(1,000字)

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