日本政府の菅義偉 官房長官が、日本軍慰安婦動員の強制性を認めた1993年‘河野談話’を再検討する意向を明らかにしたことに対して、外交部が "歴史認識の根幹を崩し、被害者に苦痛と傷を再び抱かせる非常識な行為を中断せよ" と強力に促した。
外交部は21日、資料を出して "日本政府を代弁する官房長官が、日本軍慰安婦被害者の証言内容を検証するチームの設置を検討するという発言をしたことは、河野談話を否定しようとする試みであり、正しい歴史認識の根幹を破壊すること" とし "わが国政府は日本政府自らが河野談話を通じて認めた慰安婦の募集・移送・管理などでの強制性に疑問を提起することを受け入れることはできない" と釘を刺した。
外交部はまた "当時、日本軍慰安婦被害者たちは歴史の真実を明らかにするために名状しがたい羞恥を押して証言に立った。 日本政府は被害者に堪えがたい苦痛と傷を再び抱かせる非常識な行動に出ないことを強力に促す" と明らかにした。
河野談話の根拠となった韓国人慰安婦被害女性16人の証言に対して、20日 菅官房長官は 「学術的な観点で新しい検討を追加する必要がある」と話し波紋を起こした。
菅長官の今回の発言は、この日の衆議院予算委員会で談話作成に直接介入した石原信雄 元官房副長官が 「被害女性たちの証言に対する事実関係調査はなされなかった」と証言したことに伴うものだ。 これを口実に河野談話の撤回を主張する山田宏 日本維新の会議員が 「政府次元の調査が成されなければならない」と追及するや菅長官がその必要性を認めた。 しかし菅長官は証言資料を公開しろとの要求は拒否し、検証チームを作れとの要求に対しては「機密を保護する中で検討して行く」と明らかにした。
日本政府が被害女性たちの証言に対する調査を実際に進めることによって‘パンドラの箱’を開けることになるのかに関心が集中している。 菅長官が山田議員の要求に多少なりとも曖昧な発言で応じたのは、河野談話に手をつける場合、覚悟しなければならない外交的被害が余りに大きいという点を憂慮した結果と解釈される。 河野談話に手をつけた瞬間、韓-日関係はそれこそ決定的になるし、慰安婦問題を女性に対する人権問題として見て問題解決を促してきた米国との関係も大きく動揺しかねない。そのために安倍晋三 日本総理は2012年8月、自民党総裁に当選した直後には<産経新聞>とのインタビューで河野談話を修正しなければならないと主張したが、総理になった後には 「歴代政権の談話を継承する」という立場を維持している。
安倍総理は1次内閣時である2007年3月 「(日本政府の資料の中から)官憲によるいわゆる強制連行を直接指示する記述は発見されなかった」という内容を閣議決定したことがある。 河野談話を全面否認したわけではないが、この談話の核心である‘動員過程の強制性’に対しては異見があることを明確にしたわけだ。 安倍政権は河野談話に対する‘原則的に継承、しかし核心的内容に対する事実上の否定’というきわどい綱渡りをしてきたが、今やその均衡を破って国際的な非難を自ら招来するかの岐路に立った。
東京/キル・ユンヒョン特派員、キム・キュウォン記者 charisma@hani.co.kr