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「日本‘慰安婦’ 視角、国際常識と大きく乖離」

登録:2014-01-14 20:40 修正:2014-09-05 18:21
‘吉見裁判’大森弁護士
慰安婦研究者 吉見教授の本に
桜内衆議院議員が "ねつ造" 発言
謝罪しないため名誉毀損損害賠償訴訟 進行
"勝訴して日本の人権意識後退を遮断"
大森典子(70)弁護士

"日本社会の常識が国際社会の常識と乖離しています。 これを正すためには今回の裁判で勝たなければなりません。" 去る11日、東京千代田区にある韓国YMCAの建物9階の国際ホール。 日本進歩陣営の焦眉の関心事である‘吉見裁判’支援する会結成式に日本各地から駆せ参じた150人余りの市民で会議場は立錐の余地も無かった。 この裁判の弁護団長を務めている大森典子(70・写真)弁護士は<ハンギョレ>記者と会って「今回の裁判で必ず勝って、日本社会に‘慰安婦は性的奴隷だった’という世界の常識を定着させなければならない」と語った。

 吉見裁判とは昨年5月、桜内文城 日本維新の会衆議院議員が慰安婦問題研究者である吉見義明 中央大教授の本に対して「これはすでに捏造であるということが、いろんな証拠によって明らかとされております」という発言をしたことが契機になった。 以後、吉見教授は桜内議員に謝罪と発言撤回を要求したが、拒否されたために昨年7月名誉毀損にともなう損害賠償を請求する訴訟を提起した。 この訴訟は昨年10月と12月に2度の弁論が進行され、3月3日に3回目の弁論期日が予定されている。

 大森弁護士は「事実、今回の裁判は勝訴しやすい簡単な裁判」と話した。 桜内議員が‘ねつ造’という発言を使ったので、自身の発言が名誉毀損でないことを立証するには吉見教授が‘慰安婦は性的奴隷ではないということを知っていながら、性的奴隷という研究結果を発表した’という点を証明しなければならないためだ。 大森弁護士は「それが可能なはずはないから事実裁判はすっきりと原告勝利で終わることができる」と話した。

 しかし桜内議員が所属する日本維新の会は、昨年10月7日付<ニュースレター>を通じて今回の裁判を‘慰安婦-性的奴隷ねつ造裁判’と呼び 「(この裁判は)桜内議員一人だけの戦いではない。 日本そしてすべての日本国民の名誉と尊厳に対する戦い」と主張した。 大森弁護士は「相手がそう出てくるなら、こちらも慰安婦は性的奴隷制であり女性に対する重大な人権侵害だということを確認し、相手の意図を粉砕しなければならない」と話した。 この点が裁判の争点になれば、裁判所は1993年5月に日本政府が発表した‘河野談話’の核心争点である‘慰安婦の強制性’に対する判断を下さなければならなくなると見られる。

 最近の慰安婦事態を見て大森弁護士が心配するのは、日本人たちの常識と人権意識が世界の人々の平均的な考えとますます乖離しているという点だ。 このような社会の雰囲気は、単に慰安婦問題だけでなく安倍晋三総理の先月26日の靖国神社参拝で確認されるように‘第2次世界大戦’に対する評価という歴史認識にまで及んでいるというのが大森弁護士の意見だ。 彼女は 「第2次世界大戦に対する世界の認識と日本人の考えが乖離した状況の中で改憲も進行している」として「このような日本社会の雰囲気で行われる今回の裁判の意味をもう一度考えなければならない」と話した。

 一方この日、支援する会では裁判勝利のために市民が参加できる募金や傍聴など、多様な支援運動を推進していくことにした。

東京/文・写真 キル・ユンヒョン特派員 charisma@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/619722.html 韓国語原文入力:2014/01/14 19:17
訳J.S(1564字)

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