"1990年代初めから慰安婦問題の解決を要求する色々な勧告がありました。 しかし日本政府はこれを履行していません。" 25日、日本東京、渋谷区代々木公園の野外スタンド。 長期にわたり慰安婦問題解決のために努力してきた西野瑠美子(61・写真)‘「戦争と女性への暴力」リサーチ・アクション・センター’共同代表の語気が高まった。
西野代表は日本が慰安婦動員過程で軍が関与したことを認めた河野談話を発表する過程で、韓国人慰安婦に会い収録した証言録が昨年10月<産経新聞>に公開された事実を例にあげて 「日本政府が水面下では(河野)談話撤廃のために行動しながら、外国から追及を受ける時には(河野談話を通じて)謝罪したと主張する" という二律背反的な態度を見せていると指摘した。
この日、日本の人権・市民団体は‘国連人権勧告を現実に、すべての人に尊厳と人権を’という主題で共同集会を開催した。 各団体が前面に掲げている日本の差別問題は、慰安婦被害者や朝鮮学校のみならず外国人労働者、障害者、性少数者、被差別部落民、北海道の原住民アイヌ、福島被爆者など多様だった。 安倍晋三政権になって人権が後退しているという憂慮のためか、厳寒にもかかわらず600人余の市民が集会に参加した。
最近日本の市民社会を憤らせたのは昨年6月に日本政府が出した‘閣議決定’だった。 昨年5月橋下徹 大阪市長の慰安婦発言が社会的な問題になるや国連拷問禁止委員会は「公的な人物が慰安婦と関連した事実を否定する時は、政府が乗り出して反論すること」を勧告した。 しかし安倍政権は「勧告には法的拘束力がないので従う義務はない」という答弁書を閣議で決めた。 これに対して横田洋三 日本法務省特別顧問は26日<東京新聞>とのインタビューで 「他の先進国が国連勧告に合うよう法改正をしたり政府見解を変えるなどの努力をしているのに比べ、日本の態度は消極的」と批判した。
現在日本が加入している人権条約は計8個だ。 国連の傘下には条約ごとに委員会が設置されており、締結国の条約履行有無に対する評価、憂慮事項、勧告などを出している。 昨年5月、国連社会権規約委員会は、日本政府が高校無償化対象から朝鮮学校を除外したことは差別だと指摘したが、日本文部科学省は 「勧告には(従わなくても)罰則がない」という態度を維持している。 またナバネセム・ピレイ国連人権高等弁務官は「特定秘密保護法が表現の自由を萎縮させる恐れがある」という憂慮を明らかにしたが、安倍政権は先月6日これを強行通過させた。
この日の集会の最後に登場した田中宏 一橋大名誉教授は 「安倍政権は積極的平和主義ではなく積極的人権主義を推進しなければならない」と主張し拍手を受けた。 参加した市民たちはこの日、集会を終えた後に渋谷一帯を巡り "国連の人権勧告を履行" を促した。
東京/文・写真 キル・ユンヒョン記者 charisma@hani.co.kr