「コリアディスカウント」(韓国企業や金融会社が世界市場で低評価される現象)の主な要因に挙げられてきた外国人投資家登録制が廃止される。来年からは資産10兆ウォン(約1兆500億円)以上の上場法人は英文公示が義務付けられる。
24日、金融委員会はこのような内容の「外国人投資家の資本市場への接近性向上案」を発表した。外国人投資登録制は、韓国の上場証券に投資しようとする外国人の人的事項を金融監督院に事前登録する制度だ。同制度は外国人投資家の上場株式投資を認め、銘柄別の限度を管理するために1992年に導入されて以来、外国人投資家の接近性を低下させるという指摘を受けてきた。現在、韓国の個人投資家は別途の登録手続きなしに米国株を売買することができるが、外国人投資家は国内金融当局に別途登録しなければ、韓国株を売買できない。
昨年6月、モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル(MSCI)は、韓国の資本市場のグローバル市場への接近性が低いとして、外国人投資家登録制と外国為替市場の自由化など、9部門に対する改善が必要だと指摘した。
今年下半期から外国人投資家は金融監督院に事前登録しなくても、法人の場合は法人認識識別記号(LEI)、個人の場合はパスポート番号があれば韓国証券市場に投資できるようになる。証券会社で実名確認などの手続きを経てすぐに口座開設が可能であり、口座情報は法人認識識別記号やパスポート番号を識別手段にして証券会社で管理する方式だ。これまで投資家登録には投資登録申請書、本人確認書類、常任代理人契約書など要求される書類が多く、翻訳と公証も求められる不便さがあったが、それらが解消される。外国人投資家のモニタリング方式も、すべての外国人投資家のリアルタイム取引明細を収集する代わりに、必要な範囲で事後的に収集する方式に改善される。
この他にも金融委は、外国人統合口座を活性化するために、決済直後に最終投資家別に投資内訳を報告する義務を廃止する。外国人統合口座は、複数の投資家の株式売買を統合し、単一口座で処理できるグローバル運用会社や証券会社名義で開設された口座だ。
外国人が事前審査なしに取引所外取引ができる範囲も広くなる。現在、外国人投資家が事後申告で場外取引が可能な
のは条件付き売買、直接投資、ストックオプション、相続・贈与などに限定されていた。しかし、今後は事前審査の必要性が低く取引所外取引の需要が高いタイプは事後申告対象に含まれる。
また、来年からは資産規模10兆ウォン以上の上場法人は市場に必要な重要情報に対して英文公示が義務付けられる。現在、英文公示は企業の判断に任されており、外国人投資家が情報を得るのに限界があった。2026年からは資産2兆ウォン(約2100億円)以上の上場企業も対象になる。
金融委員会は「上半期中に資本市場法施行令および金融投資業規定を改定し、システム開発を経て年内に施行する計画」だと説明した。