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韓国、世界国債指数観察対象国に登録…編入されれば9兆円の投資流入

登録:2022-09-30 20:24 修正:2022-10-01 06:59
韓国政府「編入されれば外国人の国債投資、最大90兆ウォン流入」
クリップアートコリア提供//ハンギョレ新聞社

 韓国が世界最大の債券指数である世界国債指数(WGBI)観察対象国に名を連ねた。協議手続きが円滑に進めば、早ければ来年中にも指数編入が可能とみられる。韓国政府は国債市場で「コリア・ディスカウント」を解消するために、世界国債指数への編入を国政課題として推進してきた。

 企画財政部は、韓国が29日(米国現地時間)に世界国債指数の観察対象国に名を連ねたと30日明らかにした。世界国債指数は、ロンドン証券取引所傘下の市場指数算出機関であるフィナンシャルタイムズ・ストックエクスチェンジ(FTSE)ラッセルが管理する債券指数で、米国・日本・英国など23の主要国の国債をまとめる「先進国債クラブ」と呼ばれる。追従資金規模だけで2兆5千億ドル前後と推定される。韓国が世界国債指数に編入される場合、予想編入比重は2.0~2.5%で、編入国家のうち9番目に大きい規模だ。

 世界国債指数に編入されるためには、定量条件と定性条件を満たさなければならない。韓国はすでに発行残高額面価基準500億ドル以上、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)基準信用格付A-以上という定量条件を満たしている。ただし、外国人投資に制限があるか(市場アクセシビリティ)を評価する定性条件はまだ満たしていない。ラッセルは、国家別市場へのアクセス性をレベル0~2に区分し、レベル2のみを指数に編入させているが、韓国は現在レベル1だ。ラッセルは、この9月に債券市場の国家分類で韓国を市場アクセス性が上方調整(レベル1→2)される潜在的可能性がある「観察対象国」に分類した。

 この日、ラッセルは韓国の観察対象国登載について、「韓国当局が市場構造と韓国資本市場のアクセシビリティを改善するために提案した複数のイニシアチブを発表したことによる」とし「市場アクセシビリティ水準の改善を評価できるよう提案された改革が履行されたかについて、市場参加者からのフィードバックを集める」と明らかにした。市場アクセシビリティのレベル2を得るために、韓国政府は外国人投資家の国庫債利子所得と譲渡所得に対する税金を免除するという計画を今年の税法改正案に反映した。

 韓国政府は、最終編入に成功した場合、最大で90兆ウォン(約9兆円)の外国人国債投資が流入すると見通した。これに先立って金融研究院は2020年、世界国債指数編入が成就すれば、50~60兆ウォンに及ぶ資金が入ってくると分析した。ゴールドマンサックス、KB証券、ハイ投資証券などは最近、国債発行残高と為替レートを考慮して資金流入規模を60~90兆ウォン水準と推定した。政府はこれを通じて国債金利が30~60bp(1bp=0.01ポイント)低くなり、それに伴い年間5千億~1兆1千億ウォン水準の利子費用が削減されると推算した。

 企画財政部のユ・ヒョンチョル国庫局長は「先進国は通常、国債外国投資者の割合が40%程度だが、我々は20%水準だ。基本的に需要規模が大きくてこそ価格が支えられるが、外国投資家が入ってきて他の先進国のように30~40%を買ってくれれば(韓国国債が)適正価格を得られるようになり、ウォン貨ディスカウントがなくなる効果が生じると思う」と述べた。

 ラッセルは、特定国家の投資環境を評価し、毎年3月と9月に観察対象国リストを発表し、6カ月以上の検討を経た後に最終編入の可否を決定する。

イ・ジヘ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1060845.html韓国語原文入力: 2022-09-30 12:48
訳J.S

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