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韓国、貨物連帯のストでセメント業界「来週には生産停止」…港湾物流量は80%減

登録:2022-11-29 02:54 修正:2022-11-29 08:59
各産業分野への支障は 
イ・チャンヤン長官「運行再開策を講じる」 
鉄鋼、自動車業界は部分的に出荷に支障 
造船、精油業界はストライキに備え準備 
「まだ問題ないが長期化したら困る」
貨物連帯の全面スト5日目の28日午前、京畿道義王市の内陸コンテナ基地(ICD)から国土交通部の非常輸送車が出ていく様子=シン・ソヨン記者//ハンギョレ新聞社

 民主労総全国公共運輸社会サービス労働組合・貨物連帯本部(以下、貨物連帯)の集団運送拒否(ストライキ)により、セメント業界が真っ先に打撃を受けている。セメント出荷への支障が可視化しており、ストライキが1週間以上続けば貯蔵庫不足で生産が中断する恐れがあるとの見通しが示されている。鉄鋼や自動車業界でも出荷に支障が生じている。全国の主要港湾のコンテナ搬出入量は通常に比べ80%ほど減っている。

 セメント業界の経営側は28日午後、亜細亜セメント提川(チェチョン)工場でイ・チャンヤン産業通商資源部長官と会談し、「貨物連帯の集団運送拒否による出荷への支障は、金額が27日までに約464億ウォン(約48億1000万円)にのぼる」と述べた。運送拒否は24日から続いている。セメント業界はこの席で「今後7日ほどたてば貯蔵庫不足で生産を中断しなければならない状況に至るなど、被害が広がるだろう」とし、早急な事態解決を提案した。イ・チャンヤン長官は「政府は運送車両の運行再開策を講じるほか、必要ならば軍部隊の車両支援など、被害の最小化のための措置を関連省庁と協議、推進する」と述べた。

 国土交通部がこの日公開した「港湾蔵置率、搬出入量動向」によれば、前日午後5時からこの日午前10時までの全国12港湾のコンテナ搬出入量は、計7587TEU(TEU=20フィートのコンテナ1個分)。これは先月の同じ時間帯(午後5時~翌日午前10時)の12港湾の搬出入量平均(3万6655TEU)の21%ほど。光陽(クァンヤン)港、平沢・唐津(ピョンテク・タンジン)港、蔚山(ウルサン)港ではコンテナ搬出入がほとんど停止している。

 生コンクリート業界は「29日ごろから全国的に生コン生産が停止し、全国各地の建設現場で工事に支障が出ると予想される」と発表した。

 鉄鋼、自動車業界でも部分的に出荷に支障が出ている。現代製鉄の関係者は本紙の電話取材に対し「1日平均5万トンの出荷に支障が生じている」と明かした。完成車業界では、部品供給用車両は工場を円滑に出入りしているが、完成車の託送車両「カーキャリア」での運送は停止。これに対しメーカーでは、社員とアルバイトが完成車を地域の出庫センターへと移動させている。

 造船、精油、石油化学の各業界は、まだ製品供給などに大きな問題はないと発表した。しかし、ストの長期化に対する懸念は大きい。

 造船業界は資材の輸送が停止しているが、あらかじめ確保しておくなどの事前対応のおかげで、まだ問題は発生していないことが把握された。造船業界の関係者は「ストが事前に予告されていたので、必要な資材はあらかじめ多く受け取っておいた」と述べた。この関係者は「ただ、ストライキが長期化すれば(船舶の)建造に支障をきたす可能性が高い」と付け加えた。

 精油業界の状況も同様だ。精油業界のある関係者は「タンクにによっては在庫が50%以下になっているガソリンスタンドもあるため、措置を取っている。ガソリンスタンドの備蓄は平均2~4週間分なので、スト前にタンクを一杯にしておくように公示した。ただし長期化した場合は、これといった対策がない」と説明した。

キム・ヨンベ先任記者、アン・テホ、チェ・ウリ、チェ・ハヤン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1069287.html韓国語原文入力:2022-11-28 18:41
訳D.K

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